膵内胆管切除を施行した憩室型先天性胆道拡張症の1成人例

憩窒型先天性胆道拡張症は非常に稀な疾患で,憩室が切除された報告はほとんどない.今回,我々は,憩室炎で発症した騨内胆管の憩室型先天性胆道拡張症に対し,膵内胆管切除により憩室を摘出し得た症例を経験したので報告する. 症例は56歳,男性.背部痛,嘔気・嘔吐,発熱で発症し,肝機能異常を指摘され精査目的で入院となった.内視鏡的逆行性膵胆管造影で十二指腸乳頭開口部から16mm肝側の膵内胆管に憩室と考えられる突出した陰影があり,その内部に結石透亮像を認めた.胆嚢と胆管内には結石を認めず, 胆管膵管合流異常もなかった. 超音波内視鏡で憩室内の結石を確認した.憩室内のみに結石を伴った憩室型先天性胆道拡張症と診断...

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Veröffentlicht in:胆道 2000/07/10, Vol.14(2), pp.160-164
Hauptverfasser: 小林, 孝, 黒崎, 功, 松尾, 仁之, 高久, 秀哉, 三輪, 浩次, 林, 俊壱, 本山, 展隆, 吉田, 奎介
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
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Beschreibung
Zusammenfassung:憩窒型先天性胆道拡張症は非常に稀な疾患で,憩室が切除された報告はほとんどない.今回,我々は,憩室炎で発症した騨内胆管の憩室型先天性胆道拡張症に対し,膵内胆管切除により憩室を摘出し得た症例を経験したので報告する. 症例は56歳,男性.背部痛,嘔気・嘔吐,発熱で発症し,肝機能異常を指摘され精査目的で入院となった.内視鏡的逆行性膵胆管造影で十二指腸乳頭開口部から16mm肝側の膵内胆管に憩室と考えられる突出した陰影があり,その内部に結石透亮像を認めた.胆嚢と胆管内には結石を認めず, 胆管膵管合流異常もなかった. 超音波内視鏡で憩室内の結石を確認した.憩室内のみに結石を伴った憩室型先天性胆道拡張症と診断し,憩室を含めた膵内胆管切除術, 胆嚢摘出術を施行, 総胆管十二指腸吻合で再建した. 切除標本では膵内胆管に外径8mmの巾着型の憩室があり,内部に直径5mmの純コレステロール結石が1個存在した.術後経過は順調であった.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.14.2_160