胆嚢管十二指腸瘻を伴うMirizzi症候群の1例

「要旨」Mirizzi症候群は胆石症における慢性炎症が進行する過程の病態であり, さらにbiliobiliary fistulaやconfluence stoneといった病態にもなりえ, 自然軽快することはあまりないとされるが, 今回我々は, 胆嚢管十二指腸内胆汁瘻形成による減圧効果と考えられる, 肝管狭窄像の軽快が観察された症例を経験したので報告する. 症例は43歳, 男性. 心窩部および右季肋部痛を主訴に来院し, 入院となった. 術中所見にて不全型ながら胆嚢管十二指腸瘻が認められたことから, 何らかの影響で十二指腸側に向かい内胆汁瘻を形成したことによる減圧効果により, 肝管の狭窄所見が軽快...

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Veröffentlicht in:胆道 2000-07, Vol.14 (2), p.125-129
Hauptverfasser: 坂東正, 霜田光義, 齊藤素子, 長田拓哉, 廣川慎一郎, 塚田一博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「要旨」Mirizzi症候群は胆石症における慢性炎症が進行する過程の病態であり, さらにbiliobiliary fistulaやconfluence stoneといった病態にもなりえ, 自然軽快することはあまりないとされるが, 今回我々は, 胆嚢管十二指腸内胆汁瘻形成による減圧効果と考えられる, 肝管狭窄像の軽快が観察された症例を経験したので報告する. 症例は43歳, 男性. 心窩部および右季肋部痛を主訴に来院し, 入院となった. 術中所見にて不全型ながら胆嚢管十二指腸瘻が認められたことから, 何らかの影響で十二指腸側に向かい内胆汁瘻を形成したことによる減圧効果により, 肝管の狭窄所見が軽快したものと考えられた. Mirizzi症候群の自然軽快や, 内胆汁瘻との合併の報告はなく, 本症例は極めて稀な症例と考えられ報告した. 「緒言」Mirizzi症候群は, 1940年にMirizziが総肝管のphysiological sphincterの炎症性機能障害による狭窄として報告して以来1), 1963年にはDietrich2), 1965年にはClemettらが現在の定義の基礎的考えを報告している3).
ISSN:0914-0077