胆道癌の神経周囲浸潤に関する臨床病理学的検討

「要旨」:最近10年間に, 当科で切除した胆道癌44例(胆管癌17例, 胆嚢癌27例)の切除標本を検索し, 癌の神経周囲浸潤を検討した. 胆道癌全体のうち, 神経周囲浸潤陽性率は56.8%(胆管癌82.4%, 胆嚢癌40.7%)であった. 腫瘍肉眼型, 組織型, 深達度と神経周囲浸潤の間には, 有意な関係があった. PNI(Perineural invasion Index)を, 40倍視野内に見られる神経線維の数全体に対する癌の浸潤した神経線維の数の割合と定義した. 胆管癌においては, PNIは腫瘍の深部浸潤部の方が, 上流側および下流側先進部に比べ有意に高かった. 胆嚢癌では, 深部浸潤部...

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Veröffentlicht in:胆道 1999-12, Vol.13 (5), p.403-408
Hauptverfasser: 坂本英至, 寺崎正起, 岡本恭和, 神谷諭, 小林聡, 篠原剛, 浅羽雄太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」:最近10年間に, 当科で切除した胆道癌44例(胆管癌17例, 胆嚢癌27例)の切除標本を検索し, 癌の神経周囲浸潤を検討した. 胆道癌全体のうち, 神経周囲浸潤陽性率は56.8%(胆管癌82.4%, 胆嚢癌40.7%)であった. 腫瘍肉眼型, 組織型, 深達度と神経周囲浸潤の間には, 有意な関係があった. PNI(Perineural invasion Index)を, 40倍視野内に見られる神経線維の数全体に対する癌の浸潤した神経線維の数の割合と定義した. 胆管癌においては, PNIは腫瘍の深部浸潤部の方が, 上流側および下流側先進部に比べ有意に高かった. 胆嚢癌では, 深部浸潤部と頸部側先進部で同程度であり, 腫瘍の底部側先進部では有意に低かった. 神経周囲浸潤陽性例の5年生存率は, 陰性例のそれより有意に低かった. 以上より, 神経周囲浸潤は, 胆道癌の進展, 予後に深く関係する因子であることが示唆された.
ISSN:0914-0077