下部胆管癌長期生存例の臨床病理学的検討

当科での下部胆管癌切除症例67例のうち,5年以上生存した10例を長期生存群,5年未満に再発死亡した29例を非長期生存群として,比較検討した.長期生存群にはssまでのものが大部分であり,肉眼型は限局型が比較的多く,リンパ節転移は全例n1以下であった.脈管・神経浸潤はないかあっても軽微なもので,非長期生存群には高度なものが多かった.組織学的膵浸潤はpanc1a以下が過半数以上を占めていたが,非長期生存群ではpanc1b以上が大部分を占めていた.em因子は長期生存群は全例em0で有意差を認めたが,hm因子に有意差はなかった.総合的進行度はstageII以下が多かったが,非長期生存群ではstageII...

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Veröffentlicht in:胆道 1999/10/15, Vol.13(4), pp.315-321
Hauptverfasser: 木下, 壽文, 今山, 裕康, 橋本, 光生, 佐藤, 真二, 橋野, 耕太郎, 玉栄, 剛, 原, 雅雄, 中山, 和道
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:当科での下部胆管癌切除症例67例のうち,5年以上生存した10例を長期生存群,5年未満に再発死亡した29例を非長期生存群として,比較検討した.長期生存群にはssまでのものが大部分であり,肉眼型は限局型が比較的多く,リンパ節転移は全例n1以下であった.脈管・神経浸潤はないかあっても軽微なもので,非長期生存群には高度なものが多かった.組織学的膵浸潤はpanc1a以下が過半数以上を占めていたが,非長期生存群ではpanc1b以上が大部分を占めていた.em因子は長期生存群は全例em0で有意差を認めたが,hm因子に有意差はなかった.総合的進行度はstageII以下が多かったが,非長期生存群ではstageIII以上が大部分を占めていた.総合的根治度はcurA,Bであった.長期生存を得るためにはstageII以下で,脈管・神経浸潤はないかあっても軽微な症例と思われるが,最も重要なことはcurB以上を得ることであり,治癒切除は長期生存を得るための必要条件と考えられた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.13.4_315