硬化性胆管炎を合併した先天性胆嚢欠損症の1例

癌例は56歳,女性.主訴は心窩部痛.腹部超音波検査および腹部CTで胆嚢は描出されず,ERCでも胆嚢と胆嚢管は造影されなかった.また肝内胆管枝は減少しprunedtree signを呈し,多発性の狭窄や硬化像を認めた.肝外胆管にも不規則な硬化像や嚢状拡張を認め,硬化性胆管炎に特徴的な形態を呈していた.画像所見より硬化性胆管炎を伴った先天性胆嚢欠損症を疑い腹腔鏡検査を施行した.その結果,胆嚢窩に胆嚢,胆嚢管は存在せず,索状構造物も認められなかった.また同時に施行した肝生検では,硬化性胆管炎に矛盾しない組織像が得られた.以上より硬化性胆管炎を合併した先天性胆嚢欠損症と診断した....

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:胆道 1998/12/25, Vol.12(5), pp.421-426
Hauptverfasser: 武井, 和夫, 武田, 一称, 篠原, 靖, 糸井, 隆夫, 中村, 和人, 堀部, 俊哉, 斎藤, 利彦, 土田, 明彦, 青木, 達哉, 小柳, 泰久
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:癌例は56歳,女性.主訴は心窩部痛.腹部超音波検査および腹部CTで胆嚢は描出されず,ERCでも胆嚢と胆嚢管は造影されなかった.また肝内胆管枝は減少しprunedtree signを呈し,多発性の狭窄や硬化像を認めた.肝外胆管にも不規則な硬化像や嚢状拡張を認め,硬化性胆管炎に特徴的な形態を呈していた.画像所見より硬化性胆管炎を伴った先天性胆嚢欠損症を疑い腹腔鏡検査を施行した.その結果,胆嚢窩に胆嚢,胆嚢管は存在せず,索状構造物も認められなかった.また同時に施行した肝生検では,硬化性胆管炎に矛盾しない組織像が得られた.以上より硬化性胆管炎を合併した先天性胆嚢欠損症と診断した.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.12.5_421