黒色胆石中の hydroxyapatite と whitlockite について

無機結晶成分を含む黒色胆石34例を化学分析と共に, X 線回折, 赤外線分析で精査し,1)リン酸カルシウム塩としてhydroxyapatite(HAP)とwhitlockite(TCP)を同定した.出現頻度はHAPが26例に,TCPは14例に見出された.2)リン酸塩のみを含む2 3 例の黒色胆石の, Ca含量(Y軸)とP含量(X軸) の相関は極めて高く, HAP を含む群についてY =2.154X+18.00(r=0.9943), TCPを含む群についてY =1.964X+13.43(r=0.9994),の回帰式が得られた.両直線の傾きは,HAPとTCPの理想式から求められるCa/P 重量比2...

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Veröffentlicht in:胆道 1997/08/05, Vol.11(3), pp.268-276
Hauptverfasser: 中館, 興一, 斎藤, 和好, 島田, 裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:無機結晶成分を含む黒色胆石34例を化学分析と共に, X 線回折, 赤外線分析で精査し,1)リン酸カルシウム塩としてhydroxyapatite(HAP)とwhitlockite(TCP)を同定した.出現頻度はHAPが26例に,TCPは14例に見出された.2)リン酸塩のみを含む2 3 例の黒色胆石の, Ca含量(Y軸)とP含量(X軸) の相関は極めて高く, HAP を含む群についてY =2.154X+18.00(r=0.9943), TCPを含む群についてY =1.964X+13.43(r=0.9994),の回帰式が得られた.両直線の傾きは,HAPとTCPの理想式から求められるCa/P 重量比2.157と1.941に極めて近い値を示した. したがって, 3) これらの胆石ではpolybilirubinateなど,黒色物質に由来するCa量はあまり多くないと考えられた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.11.3_268