総胆管平滑筋肉腫の1例

総胆管平滑筋肉腫の1 例を経験したので報告する. 症例は56歳の女性で, 上腹部不快感を主訴に来院し, 腹部US, CTで約3cmの球状, 辺縁平滑, 内部均一な膵頭部腫瘍を指摘された.リンパ節腫脹は認めず, ERCPでは下部胆管に著明な圧排狭窄像を, 血管造影で新生血管の増生を認め, 消化管ホルモンは正常であった. 膵管癌は否定的で, 非機能性のラ氏島腫瘍を疑い手術を行った. 膵頭後上部に鶏卵大の腫瘍を認め, PPPDを施行しIII-A法にて再建した. 病理組織学的に low grade malignancyの平滑筋肉腫 (核分裂1~5個/10HPF)と診断し, また腫瘍は胆管壁内に存在し総...

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Veröffentlicht in:胆道 1994/12/24, Vol.8(5), pp.458-462
Hauptverfasser: 二上, 文夫, 小西, 孝司, 山本, 精一, 津川, 浩一郎, 前田, 基一, 薮下, 和久, 黒田, 吉隆, 辻, 政彦, 出町, 洋, 三輪, 淳夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:総胆管平滑筋肉腫の1 例を経験したので報告する. 症例は56歳の女性で, 上腹部不快感を主訴に来院し, 腹部US, CTで約3cmの球状, 辺縁平滑, 内部均一な膵頭部腫瘍を指摘された.リンパ節腫脹は認めず, ERCPでは下部胆管に著明な圧排狭窄像を, 血管造影で新生血管の増生を認め, 消化管ホルモンは正常であった. 膵管癌は否定的で, 非機能性のラ氏島腫瘍を疑い手術を行った. 膵頭後上部に鶏卵大の腫瘍を認め, PPPDを施行しIII-A法にて再建した. 病理組織学的に low grade malignancyの平滑筋肉腫 (核分裂1~5個/10HPF)と診断し, また腫瘍は胆管壁内に存在し総胆管原発と考えられた. 総胆管平滑筋肉腫は極めて稀で, 自験例は文献上世界で5例目である. 治療は外科的切除が最良で, PPPDや胆管切除が適応となる. 予後は核分裂の程度で異なるが, 本例は少なく, 比較的良好な予後が期待できる.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.8.5_458