下部胆管腺腫の2例
症例1, 70歳, 女性. 主訴は右季肋部痛および発熱. 急性胆嚢炎の診断にて胆摘, 総胆管切開, およびT字管挿入を施行した. 病理学検査にて胆嚢癌(粘液癌)と診断された. 術後のT字管造影にて, 下部胆管に分葉状のポリープ様陰影欠損があり, 胆道鏡で, 乳頭状の6×5mmの山田III型ポリープを認め, 鉗子にて切除した. 病理学的にはPapillary adenomaであった. 腺腫の再発はみられなかったが, 胆嚢癌の再発にて1年6ヵ月後に死亡した. 症例2, 62歳, 女性.主訴は心窩部不快感である. ERCPにて, 総胆管は径11mmと軽度拡張し, 胆管下部に透亮像を認め, 胆嚢, 総...
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Veröffentlicht in: | 胆道 1992/02/24, Vol.6(1), pp.96-101 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例1, 70歳, 女性. 主訴は右季肋部痛および発熱. 急性胆嚢炎の診断にて胆摘, 総胆管切開, およびT字管挿入を施行した. 病理学検査にて胆嚢癌(粘液癌)と診断された. 術後のT字管造影にて, 下部胆管に分葉状のポリープ様陰影欠損があり, 胆道鏡で, 乳頭状の6×5mmの山田III型ポリープを認め, 鉗子にて切除した. 病理学的にはPapillary adenomaであった. 腺腫の再発はみられなかったが, 胆嚢癌の再発にて1年6ヵ月後に死亡した. 症例2, 62歳, 女性.主訴は心窩部不快感である. ERCPにて, 総胆管は径11mmと軽度拡張し, 胆管下部に透亮像を認め, 胆嚢, 総胆管結石の診断で手術, 術中胆道鏡にて5×3mmのポリープ病変を認めたため切除した. 病理学的にはadenomaであった. 術後5年の現在, 再発は認めていない. これら胆管腺腫の2例について, 腺腫-腺癌の関係を, 腸上皮化生, CEA染色, 粘液分泌等から検討し, 若干の文献的考察-を加えて報告した. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando1987.6.1_96 |