Wirsung管の尾側端に総胆管末端部が合流したと考えられる膵・胆管合流異常の2例
膵・胆管合流異常(合流異常)の本態の解明のうえで極めて示唆に富む2症例を報告した.症例1は56歳女性で,健診時超音波診断で胆嚢癌を疑われ,精査の結果,合流異常を伴った胆嚢癌と診断され根治手術を受けた.ERCP上総胆管の拡張は認めず,それと同じ太さの膵内胆管と思われる導管から膵頭部に分布する小膵管が数本認められ,その1本が背側膵の導管と交通し,その導管からSantorini管とともに膵尾部までの膵管が造影された.症例2は60歳女性で右季肋部痛を主訴に来院,精査の結果,合流異常を伴う切除不能の胆嚢癌の診断を受けた.ERCP上,症例1と同様に膵内胆管と思われる導管から膵頭部に分布する多数の小膵管が認...
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Veröffentlicht in: | 胆道 1991/01/25, Vol.5(1), pp.90-97 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 膵・胆管合流異常(合流異常)の本態の解明のうえで極めて示唆に富む2症例を報告した.症例1は56歳女性で,健診時超音波診断で胆嚢癌を疑われ,精査の結果,合流異常を伴った胆嚢癌と診断され根治手術を受けた.ERCP上総胆管の拡張は認めず,それと同じ太さの膵内胆管と思われる導管から膵頭部に分布する小膵管が数本認められ,その1本が背側膵の導管と交通し,その導管からSantorini管とともに膵尾部までの膵管が造影された.症例2は60歳女性で右季肋部痛を主訴に来院,精査の結果,合流異常を伴う切除不能の胆嚢癌の診断を受けた.ERCP上,症例1と同様に膵内胆管と思われる導管から膵頭部に分布する多数の小膵管が認められ,その1本を通じて背側膵管が尾部まで造影された.肝外胆管の拡張は認めず膵内の胆管と思われる導管と同じ太さを示した.2例とも発生学的に腹側膵管の羅側端と総胆管末端が合流し,さらに腹側膵管の2次分枝と背側膵管の2次分枝が癒合する膵管癒合不全が併存しているものと推察した. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando1987.5.1_90 |