演題71 総胆管結石に対する総胆管切開Tチューブ設置術の再検討

〈目的〉当科における総胆管結石に対する治療方針は, 術前にERCPで, または術中胆道造影, 胆道内圧測定, さらに症例により胆道鏡を施行し, 充分な精査を行い, 可及的に結石を排除し, 原則として胆摘, 総胆管切開Tチューブ設置術を施行してきた. 本法は感染胆汁の排出, 胆道の減圧, 遺残結石に対する安全弁としては有効と思われるが, 一方Tチューブによる合併症や入院期間の延長など問題が残される. 抗菌剤の発達, 術中胆道検査法の進歩やEST(内視鏡的乳頭切開術)が比較的安全に施行可能な現状においてTチューブ法の治療体系上の位置づけについて再検討を加えたので報告する. 〈対象〉昭和59年3月よ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:胆道 1990, Vol.4 (3), p.340-340
Hauptverfasser: 福永正氣, 杉山和義, 河端誠, 射場敏明, 菊地直心夫, 木所昭夫, 谷尚志, 八木義弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:〈目的〉当科における総胆管結石に対する治療方針は, 術前にERCPで, または術中胆道造影, 胆道内圧測定, さらに症例により胆道鏡を施行し, 充分な精査を行い, 可及的に結石を排除し, 原則として胆摘, 総胆管切開Tチューブ設置術を施行してきた. 本法は感染胆汁の排出, 胆道の減圧, 遺残結石に対する安全弁としては有効と思われるが, 一方Tチューブによる合併症や入院期間の延長など問題が残される. 抗菌剤の発達, 術中胆道検査法の進歩やEST(内視鏡的乳頭切開術)が比較的安全に施行可能な現状においてTチューブ法の治療体系上の位置づけについて再検討を加えたので報告する. 〈対象〉昭和59年3月より平成2年3月までに当科で扱った肝内結石を除く胆石症手術症例396例中, 総胆管切開を施行した63例を対象とした. 〈緒果〉Tチューブを設置したのは55例, 他は一次縫合のみ6例, 術前よりのPTCDチューブをそのまま留置し一次縫合したものが2例であった. Tチューブ設置群は術後Tチューブ造影を行い, 遺残結石が無いことを確認し平均31.4±5.7病日目に抜去した. Tチューブ設置に伴う合併症は7例12.7%であった. この内訳は胆汁漏出2例, 胆道出血1例, Tチューブ周囲の感染1例, 抜去時の胆汁性腹膜炎3例であった. これらの合併症はいずれも保存的治療で軽快退院した. 一次縫合の6例中2例で胆汁漏出がみられた. しかしいずれも腹腔内ドレナージが有効で保存的に軽快した. PTCDを利用した一次縫合の2例はとくに問題なく退院した. 入院日数を比較すると, Tチューブ設置群では平均40.1±8.0日, 非設置群では平均19.5±6.1日で非設置群で有意(p
ISSN:0914-0077