演題58 切除不能悪性胆道狭窄に対する経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)内瘻化の検討long implant tube留置とtube freeとの対比を中心として
目的:PTCD内瘻化に際して, 狭窄部にlong implant tubeを留置した群とtube freeとした群について有用性と問題点を対比検討する. 対象及び方法:対象は1984年4月より本年3月までの間にPTCD内瘻化を行った切除不能悪性胆道狭窄22例(男21例, 女11例, 年齢は48歳~86歳, 平均67.8歳)である. 内訳は, 胆管癌13例(うち肝門部胆管癌9例), 膵癌7例, 胆嚢癌1例, 肝細胞癌の肝門部浸潤1例である. 内瘻化の方法により, T群(PTCS下に狭窄部にガイドワイヤーを挿入しPTCSカテーテルで拡張後, 14Frまたは12Frのlong implant tub...
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Veröffentlicht in: | 胆道 1990, Vol.4 (3), p.333-333 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:PTCD内瘻化に際して, 狭窄部にlong implant tubeを留置した群とtube freeとした群について有用性と問題点を対比検討する. 対象及び方法:対象は1984年4月より本年3月までの間にPTCD内瘻化を行った切除不能悪性胆道狭窄22例(男21例, 女11例, 年齢は48歳~86歳, 平均67.8歳)である. 内訳は, 胆管癌13例(うち肝門部胆管癌9例), 膵癌7例, 胆嚢癌1例, 肝細胞癌の肝門部浸潤1例である. 内瘻化の方法により, T群(PTCS下に狭窄部にガイドワイヤーを挿入しPTCSカテーテルで拡張後, 14Frまたは12Frのlong implant tubeを留置した10例)とF群(PTCS下に高周波電気ナイフによる焼灼で狭窄を解除しtube freeとした12例)との二群に分け, 内瘻化が可能であった期間, 家庭復帰が可能であった症例数と期間, 術中のトラブル及び再閉塞の頻度と対処方法について各々対比した. 成績及び考察:1)内瘻化が可能であった期間;T群は平均224日(77~424日), F群は平均260日(23~1330日)であり, 両群ともほぼ同様であった. 2)家庭復帰が可能であった症例数;T群は全例で復帰が可能であったのに対してF群は5例(42%)と少なかった. 3)家庭復帰が可能であった期間;T群は平均170日(31~405)に対してFは平均363日(85~1208)であったが, 両群間には有意差がなかった. 4)術中のトラブル;T群では全く認めなかったが, F群では輸血を要する胆道出血を2例に認めた. 5)再閉塞の頻度;T群9例(90%), F群9例(75%)であったが, 両群間に有意差はなかった. 6)再閉塞の対処方法;T群9例中の8例ではlong implant tubeの交換(平均99日)により, 直ちに胆汁の漏れや胆管炎症状は軽快し, 引き続き内瘻化が可能であった. それに対してF群では9例全例, 内瘻化の継続が不能となり, このうち3例では再度のPTCDを余儀なくされた. 尚, T群では死亡した7例のうち6例(87%)で, 死亡時まで黄疸もなく内瘻化が可能であった. 結語:tube freeの内瘻化は, ドレナージチューブの管理からも開放され, Quality of Lifeの面からみて最も望ましい治療法であるが, 反面, 再閉塞時の対応に苦慮する場合があり, さらに電気ナイフによる焼灼時にトラブルがみられる等の短所もある. それに対してlong implant tube留置は, 術中のトラブルがなく, 再閉塞に対してもtube交換だけで対処でき, しかも比較的長期間の内瘻化, 家庭復帰が可能であることより安全で有用な内瘻化法と考えられた. |
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ISSN: | 0914-0077 |