演題42 胆石症に対するESWLの経験

当施設では胆石症に対して体外衝撃波による破砕療法(Extra Corpreal Shockwave Lithotripsy以下ESWL)施行後, 破砕片の溶解に対して洗浄排出, 経口および直接溶解療法, PTCSL等内視鏡的砕石術の補助療法を併用し治療している. この治療経験より消失成績から考えた胆石症に対するESWLの適応とその評価を行い若干の考察を加え報告したい. [対象・方法]1989年9月より1990年4月に当施設で経験した総胆管結石症2例, 胆嚢結石症8例, 総胆管・胆嚢結石症2例の合計12例を対象とした. 破砕にはドルニエ社製HM-3を使用した. 今回は造影手段として, 超音波検査...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:胆道 1990, Vol.4 (3), p.325-325
Hauptverfasser: 辻勝久, 松田充宏, 竹島徹, 山下淳一, 松崎靖司, 長田明, 轟健, 石川詔雄, 岩崎洋治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:当施設では胆石症に対して体外衝撃波による破砕療法(Extra Corpreal Shockwave Lithotripsy以下ESWL)施行後, 破砕片の溶解に対して洗浄排出, 経口および直接溶解療法, PTCSL等内視鏡的砕石術の補助療法を併用し治療している. この治療経験より消失成績から考えた胆石症に対するESWLの適応とその評価を行い若干の考察を加え報告したい. [対象・方法]1989年9月より1990年4月に当施設で経験した総胆管結石症2例, 胆嚢結石症8例, 総胆管・胆嚢結石症2例の合計12例を対象とした. 破砕にはドルニエ社製HM-3を使用した. 今回は造影手段として, 超音波検査でコレステロール系でCT検査で石灰化が最小で機能胆嚢である3例はDICにより造影し, それ以外の胆嚢胆石症5例にPTGBDを留置して行った. 総胆管胆石症2例には内視鏡的経鼻胆道トレナージ(ENBD)を, 総胆管・胆嚢結石症1例にPTCDを, 1例にPTGBDを留置しおこなった. [結果・考察]結石の破砕状況は良好群5例, 普通群2例, 不良群5例であった. 良好群では5例中4例がCT検査でも石灰化のない胆石症で, 個数も1~2個で最大径7mm~26mmのものであった. 破砕不良群では5例中2例が総胆管胆石症例であり, 2例はCT検査で石灰化のある4mm程度で5~6個の胆嚢胆石症であった. すなわち色素系胆石と跳躍するあるいは破砕の確認の困難な小胆石は破砕不良と思われた. 胆嚢結石の消失状況はDICにより造影した3例はESWL後3か月以内に経口溶解療法を併用し2例がほぼ消失, 1例が減少している. PTGBDを留置して行った5例の内訳は, 急性胆嚢炎で入院した超音波検査でI型の1例でESWL後1か月で消失した. 他の4例はCT検査で石灰化があり, 機能胆嚢である例である. 1例のみが40日目に消失し, 1例がPTCSLの補助療法を併用した黒色石症例, 1例が超音波検査でIIa型17mm1個の例および堆積型の多数例である. 総胆管胆石の2例に対してはENBDを留置し溶解療法等併用し現在排出中である. またこれらの症例ではPTGBD等の造影のチューブからの洗浄のみでは著明な破砕片の排出は出来なかった. すなわち石灰化胆石や色素系胆石に対してはPTGBD等の留置チューブからのより強力な直接溶解療法あるいはPTCSL等内視鏡的砕石術の補助療法を併用する必要があると考えられた.
ISSN:0914-0077