演題19 ss胆嚢癌の検討
ss胆嚢癌症例について進展様式と予後規定因子を検討し, ss胆嚢癌に対する根治術について考察した. 1989年12月までの約7年間の胆嚢癌総数は56例で, 切除例は39例, 切除率は83.0%であった. 組織学的壁深達度はm2例, pm5例, ss16例, se8例, si8例であった. ss胆嚢癌16例の進展度とその決定因子はstage I 3例, stage II 2例(hinf2例), stage III 6例(n 4例 hinf 1例 binf 1例), stage IV 5例(n 5例 binf 2例 h 2例 p 2例)で, stageの決定因子はn因子に規定されるものが9例と最も...
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Veröffentlicht in: | 胆道 1990, Vol.4 (3), p.314-314 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ss胆嚢癌症例について進展様式と予後規定因子を検討し, ss胆嚢癌に対する根治術について考察した. 1989年12月までの約7年間の胆嚢癌総数は56例で, 切除例は39例, 切除率は83.0%であった. 組織学的壁深達度はm2例, pm5例, ss16例, se8例, si8例であった. ss胆嚢癌16例の進展度とその決定因子はstage I 3例, stage II 2例(hinf2例), stage III 6例(n 4例 hinf 1例 binf 1例), stage IV 5例(n 5例 binf 2例 h 2例 p 2例)で, stageの決定因子はn因子に規定されるものが9例と最も多かった. 術式は胆摘8例, 胆摘+胆管切除6例, 肝切除+膵頭十二指腸切除1例, 膵頭十二指腸切除1例であった. 郭清度はR0 5例, R1 1例, R2 9例, R3 1例であった. 治癒度(非治癒因子)はAC2例, RC6例(n=R 6)RN2例(n>R 1, ew1 2, hw1 1), AN6例(n>R 5, ew2 3, bw2 1, hw2 1, h 2, p 2)でn, ew因子が非治癒因子として多かった. 脈管・神経侵襲の頻度は両者とも高率で, ly(+)88%, v(+)81%, pn(+)69%であった. 癌占居部位別のリンパ節転移率はGneこかかる場合73%, Gnにかからない場合33%であり, Gnのリンパ節転移率は高かった. またew(+)症例6例のうち5例は癌占居部位がGnであった. 生存期間は最長66か月で, 平均生存期間は24.2か月であった. 再発8例(50%)のn(+)に6例, ew(+)は4例で, なかでもn4(+)症例およびew2の症例は全例が再発死亡した. 即ちリンパ節転移, 切除縁(特にew)が予後を規定するうえで重要な因子と思われた. なおp(+)症例のうち, Krukenberg's tumorをきたした1例は腹腔内持続温熱療法(CHPP)を行ない, 9か月現在再発の兆候なく生存中である. 結論:ss胆嚢癌は予想した以上にリンパ節転移の高度な場合が多い. 特に癌占居部位がGnにかかる場合は, 術中病理所見を参考にしながら局所の十分な切除とN3, 傍大動脈のリンパ節郭清を行うことが必要と思われた. |
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ISSN: | 0914-0077 |