回虫卵が成因と考えられた肝内結石症の1例

回虫卵が成因と考えられた肝内結石症の1例を報告した.症例は41歳の女性で,3 6 歳時に胆摘を受けるも結石は認めていない. 今回, 右上腹部痛と嘔気, 発熱を伴って来院,精査にて左肝内結石症と診断し,左外側区域切除を施行した.切除肝の胆管は拡張し,肥厚がみられ胆渣が充満しており,その中に回虫虫体と虫卵が認められた.われわれの症例では,結石が肝左外側区に限局していたが胆管の狭窄は伴っておらず,さらに左外側区の胆管にのみ迷入した回虫を認め,その部の肝内胆管には胆汁うっ滞が認められており,結石の生成に回虫の関与が強く示唆された....

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Veröffentlicht in:胆道 1989/10/25, Vol.3(4), pp.484-488
Hauptverfasser: 古川, 正人, 山田, 隆平, 中田, 俊則, 草野, 敏臣, 林, 〓欽, 田代, 和則, 渡部, 誠一郎, 糸瀬, 薫, 城野, 英利, 藤井, 秀治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:回虫卵が成因と考えられた肝内結石症の1例を報告した.症例は41歳の女性で,3 6 歳時に胆摘を受けるも結石は認めていない. 今回, 右上腹部痛と嘔気, 発熱を伴って来院,精査にて左肝内結石症と診断し,左外側区域切除を施行した.切除肝の胆管は拡張し,肥厚がみられ胆渣が充満しており,その中に回虫虫体と虫卵が認められた.われわれの症例では,結石が肝左外側区に限局していたが胆管の狭窄は伴っておらず,さらに左外側区の胆管にのみ迷入した回虫を認め,その部の肝内胆管には胆汁うっ滞が認められており,結石の生成に回虫の関与が強く示唆された.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.3.4_484