演題119 ピエゾ効果方式体外衝撃波結石破砕装置による胆石破砕療法の臨床的検討

EDAP社製ピエゾ効果方式体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)LT-01を用いて, 胆石症における臨床的検討を行った. 〔対象および方法〕対象症例は当院を受診した胆石症患者43例であり, 胆石径25mm以下, 胆石数5個以内の胆嚢内胆石で, 胆石外殻に石灰化のないもの, あるいはあっても軽度なものとした. 衝撃波振動数は1.25回/sec.から5回/sec.を主に用いた. 治療は無麻酔下に行い, 患者が痛みを訴えた場合にのみ鎮痛剤を投与した. 治療2週間前よりUDCA(ウルソデオキシコール酸)およびCDCA(ケノデオキシコール酸)を各々300mg/dayを投与した. 適応決定に際しては腹部エコー...

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Veröffentlicht in:胆道 1989, Vol.3 (3), p.353-353
Hauptverfasser: 日原雅文, 田野博宣, 山秋拓司, 高木一郎, 月江英一, 柴田耕司, 石原扶美武, 亀田治男, 小林進, 桜井健司, 成瀬勝, 高橋恒夫, 青木照明, 宮本幸夫, 望月幸夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:EDAP社製ピエゾ効果方式体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)LT-01を用いて, 胆石症における臨床的検討を行った. 〔対象および方法〕対象症例は当院を受診した胆石症患者43例であり, 胆石径25mm以下, 胆石数5個以内の胆嚢内胆石で, 胆石外殻に石灰化のないもの, あるいはあっても軽度なものとした. 衝撃波振動数は1.25回/sec.から5回/sec.を主に用いた. 治療は無麻酔下に行い, 患者が痛みを訴えた場合にのみ鎮痛剤を投与した. 治療2週間前よりUDCA(ウルソデオキシコール酸)およびCDCA(ケノデオキシコール酸)を各々300mg/dayを投与した. 適応決定に際しては腹部エコー, 胆嚢造影を併用し, 効果判定は腹部エコーにて, 胆嚢内に胆石陰影を全く認めないものを完全消失, 径3mm以下のfragmentを認めたものを不完全消失とした. 〔結果および検討〕ESWL施行症例43例中, 完全消失8例(18.6%), 不完全消失14例(32.6%)で合計22例(51.2%)に有効であった. これを石灰化の有無で検討してみると, 石灰化のないものでは31例中21例(67.7%)に効果を認めたのに対し, 石灰化のあるものでは12例中1例(8.3%)に効果を認めたに過ぎなかった. 完全消失例も8例すべてが石灰化のないものであった. さらに胆石径について検討すると, 胆石の直径が10mm以下では50%, 11~15mmでは75%, 16~20mmでは55.6%に有効であったのに対し, 21mm~25mmのものでは30.0%に過ぎなかった. 完全消失例8例について胆嚢造影による胆石パターンで分析してみると, 正円型4例, 惰円型4例であり, とくに正円型の表面には微細な凹凸不整が認められた. 手術摘出胆石との比較検討から桑実状を呈する混合石がこれに相当するものと思われた. 副作用についての検討では, 2例に排石に伴なうと思われる右季肋部痛を認めたがいずれも軽微で, 鎮痛剤を必要としなかった. 血液・尿検査では, 白血球数や, GOT, LDH, CPKなど筋由来の酵素, アミラーゼ, 胆道系酵素の変動はなく, 血尿も認められなかった. また, 腹部エコーにおいても胆嚢壁の肥厚などの異常所見はみられなかった. 〔まとめ〕体外衝撃波結石破砕療法は副作用も少なくかつ有効な方法と思われ, その症例を選択することにより, より良好な破砕効果が得られると考えられた.
ISSN:0914-0077