演題46 胆汁ドレナージ瘻孔拡張術における, ロヒプノール持続静注法の有用性の検討

「目的」各種胆道疾患の精密診断ならびに内視鏡的治療を目的として施行する胆汁ドレナージ瘻孔拡張術(以下, 瘻拡と略す)において, 疼痛除去を目的として, 1988年4月よりロヒプノール持続静注法を試み, その有用性を検討した. 「対象」対象は瘻拡を施行した年齢が35歳から81歳までの男性24例, 女性27例の計51例である. 「方法」前投薬として, 術前30分前に硫酸アトロピン0.5mg, ペンタゾシン30mgを筋注する. よりよい穿刺ルートを確保するためには, 呼吸の調節が必要であり, エコー下穿刺時には覚醒状態でなければならない. 従って, 穿刺後0.018inchガイドワイヤーが挿入された...

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Veröffentlicht in:胆道 1989, Vol.3 (3), p.316-316
Hauptverfasser: 高原理, 市川和男, 市川正章, 鬼塚俊夫, 星野洋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」各種胆道疾患の精密診断ならびに内視鏡的治療を目的として施行する胆汁ドレナージ瘻孔拡張術(以下, 瘻拡と略す)において, 疼痛除去を目的として, 1988年4月よりロヒプノール持続静注法を試み, その有用性を検討した. 「対象」対象は瘻拡を施行した年齢が35歳から81歳までの男性24例, 女性27例の計51例である. 「方法」前投薬として, 術前30分前に硫酸アトロピン0.5mg, ペンタゾシン30mgを筋注する. よりよい穿刺ルートを確保するためには, 呼吸の調節が必要であり, エコー下穿刺時には覚醒状態でなければならない. 従って, 穿刺後0.018inchガイドワイヤーが挿入された時点で, 8γ/kg/分の速度でロヒプノールを注入しはじめ, 通常の呼びかけにて, 応答不可, 離握手不可となった時点で瘻拡を開始し, 同時に4γ/kg/分の速度に減量する. 14Frダイレーターを挿入した時点で, 体動などの反応をみて, ロヒプノールを中止し, さらに16Fr, 18Frダイレーターを挿入して瘻拡を終了する. 「結果」本法を用いた51例において, 全例に十分な鎮静効果が得られ, 安全に瘻拡が施行できた. ロヒプノール総投与量は平均42γ/kgであり, 注入停止後平均48分で半覚醒状態となった. また, 7例にイビキ程度の軽い舌根沈下を認めた. 「考案」ロヒプノールは強力な鎮静作用を有するが, 急速静注においては, 呼吸循環抑制が高率に認められる. 本法では, 投与速度を工夫し, 持続静注することにより呼吸循環抑制を軽減でき, また, 十分な鎮静効果が得られた. 「結語」ロヒプノール持続静注法は, 瘻拡において安全かつ有用な麻酔法と考える.
ISSN:0914-0077