演題44 穿刺時に胆汁漏出をおこさないエコーガイド下PTCDセットの考案
PTCドレナージ法の合併症として, 出血, 自然抜去などのほかに, 悪性腫瘍による閉塞性黄疸で胆汁中に癌細胞が浮遊している場合には, 胆汁漏出による腹膜播種が挙げられる. エコーガイド下穿刺法では, 穿刺針またはダイレーターを抜去し, ガイドワイヤーのみになる状態がある. この時内圧の高まっている胆管より皮膚面への胆汁漏出は, しはしば経験されることより, 胆汁漏出は遊離腹腔内にもおきていると考えられる. 胆汁漏出をおこさずにPTCDを行なうためのセットを考案しPTCDを行なった. 「新PTCDセットの特長」:18Gの穿刺針がthin wallの穿刺針とほぼ同径のナイロン製チューブと接続されて...
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Veröffentlicht in: | 胆道 1989, Vol.3 (3), p.315-315 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | PTCドレナージ法の合併症として, 出血, 自然抜去などのほかに, 悪性腫瘍による閉塞性黄疸で胆汁中に癌細胞が浮遊している場合には, 胆汁漏出による腹膜播種が挙げられる. エコーガイド下穿刺法では, 穿刺針またはダイレーターを抜去し, ガイドワイヤーのみになる状態がある. この時内圧の高まっている胆管より皮膚面への胆汁漏出は, しはしば経験されることより, 胆汁漏出は遊離腹腔内にもおきていると考えられる. 胆汁漏出をおこさずにPTCDを行なうためのセットを考案しPTCDを行なった. 「新PTCDセットの特長」:18Gの穿刺針がthin wallの穿刺針とほぼ同径のナイロン製チューブと接続されており, このチューブには着脱可能な注射器との接続部が連結されている. PTCDチューブは通常の9Frのピッグテイルカテーテルである. 「方法」:エコーガイド下に穿刺針で肝内胆管を穿刺し胆汁流出を確かめる. ガイドワイヤーを挿入後, 注射器との接続部をはずし, ガイドワイヤーおよびチューブにかぶせてPTCDチューブを挿入する. 穿刺針およびナイロン製チューブの体外に出ている部分がPTCDチューブより長いため, 穿刺針およびナイロン製のチューブをPTCDチューブ挿入時のガイドとして利用できる. このためPTCDチューブを胆管内に留置するまで, 穿刺針を抜く操作がなく胆汁漏出の危険がない. 「症例および結果」:このPTCDセットを利用して5例にPTCDを行なった. その内訳は膵癌2例, 総胆管結石2例, 中部胆管癌1例である. 全例で穿刺時の胆汁流出は全く認めなかった. 肝内では穿刺針がガイドワイヤーの役目をするためチューブの屈曲がなく挿入が容易であることも利点であった. 「考案」:胆汁中に癌細胞が浮遊している場合, 胆管穿刺時の胆汁漏出が腹膜播種を引き起こすかどうかについては現在まで報告がなく明らかでない. しかし減黄後に根治術を行なうことが多いため, 腹膜播種をおこす可能性のある操作は避けるべきであると考えられる. 従来の方法と比軟して本法の欠点は特になく, PTCD法として有用である. また, 肝膿瘍のエコー下穿刺ドレナージにも使用しているが, 膿汁漏出がなく膿瘍ドレナージ法としても有用である. |
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ISSN: | 0914-0077 |