肝門部胆管癌に対する胆管および下大静脈腔内照射法の実験的研究

肝門部胆管癌切除例の予後を左右する因子は肝側胆管断端の癌遺残,肝内胆管周囲の脈管侵襲および肝尾状葉への癌浸潤である.これら因子に対するRemote After Loading System(以下RALS)を利用した胆管および下大静脈腔内照射療法の組織障害性と安全性を実験的に検討した. 胆管拡張犬を作成し,60Coを線源とするラルストロンを用い,胆管・空腸および肝部下大静脈内より腔内照射を行った.線量分布曲線を作図,経時的に採血した後,屠殺し,病理組織学的に検討した.線量分布曲線より肝門部と尾状葉へ選択的に照射可能であった.また血液生化学・組織学的検査では,通常線量での正常組織への障害性は極めて...

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Veröffentlicht in:胆道 1989/01/25, Vol.3(1), pp.38-45
Hauptverfasser: 田中, 淳一, 小山, 研二, 嘉藤, 茂, 佐藤, 泰彦, 佐藤, 敬文, 吉岡, 浩, 浅沼, 義博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:肝門部胆管癌切除例の予後を左右する因子は肝側胆管断端の癌遺残,肝内胆管周囲の脈管侵襲および肝尾状葉への癌浸潤である.これら因子に対するRemote After Loading System(以下RALS)を利用した胆管および下大静脈腔内照射療法の組織障害性と安全性を実験的に検討した. 胆管拡張犬を作成し,60Coを線源とするラルストロンを用い,胆管・空腸および肝部下大静脈内より腔内照射を行った.線量分布曲線を作図,経時的に採血した後,屠殺し,病理組織学的に検討した.線量分布曲線より肝門部と尾状葉へ選択的に照射可能であった.また血液生化学・組織学的検査では,通常線量での正常組織への障害性は極めて軽度であり,本法は安全に施行でき,臨床的に有用であると考えられた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.3.1_38