胆管内発育型細小肝細胞癌の1切除例
患者は51歳男性で,上腹部痛を主訴として来院,胆道系酵素およびビリルビンの上昇がみられたことよりERCを施行,胆管内に陰影欠損が認められた.US,CT,Angioにて肝内に異常所見は認められず,またAFPの変動が認められなかったことより胆道癌と診断した.その後ビリルビン,主に直接ビリルビンの増加がありPTCDを施行,PTCDよりの造影では肝内胆管より総胆管にかけて連続性の陰影欠損がみられた.減黄後手術を施行した.手術所見では尾状葉に1.8×1.5cm大の肝細胞癌があり,胆管内へ浸潤発育したものであることがわかったため左尾状葉切除を施行した. 胆管内発育型肝細胞癌は,佐川の報告以来すでに100例...
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Veröffentlicht in: | 胆道 1988/10/25, Vol.2(4), pp.539-546 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 患者は51歳男性で,上腹部痛を主訴として来院,胆道系酵素およびビリルビンの上昇がみられたことよりERCを施行,胆管内に陰影欠損が認められた.US,CT,Angioにて肝内に異常所見は認められず,またAFPの変動が認められなかったことより胆道癌と診断した.その後ビリルビン,主に直接ビリルビンの増加がありPTCDを施行,PTCDよりの造影では肝内胆管より総胆管にかけて連続性の陰影欠損がみられた.減黄後手術を施行した.手術所見では尾状葉に1.8×1.5cm大の肝細胞癌があり,胆管内へ浸潤発育したものであることがわかったため左尾状葉切除を施行した. 胆管内発育型肝細胞癌は,佐川の報告以来すでに100例をはるかに超えている.しかし,切除例の報告は27例にしかすぎず,さらに2cm以下の細小肝癌に至っては7例の報告があるのみである.われわれは胆管内発育型細小肝癌の1例を経験したので,診断および治療を中心に文献的考察を加えて報告した. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando1987.2.4_539 |