演題152 胆汁中カルシウムイオンの動態に関する基礎的研究
「目的」:胆汁中カルシウムイオン濃度は種々の肝胆道病変により変化するが, その正確な濃度測定は胆汁の粘性のため困難であることなどより, 胆汁酸分泌との関連についても未だ不明の点が多い. しかし胆汁中カルシウムイオンの変動は胆汁酸代謝との関連において重要と考えられる. 今回われわれは胆汁酸分泌と胆汁中カルシウムイオン濃度の相互関係について実験的検討を加え知見を得たので報告する. 「方法」:胆汁中カルシウムイオンの測定は, イオンアナライザー(philips社)を用い, 牧野らのCa selective electrode法により測定した. 基礎的検討として本法による測定値に対するPH, ナトリウ...
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Veröffentlicht in: | 胆道 1988, Vol.2 (3), p.402-402 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」:胆汁中カルシウムイオン濃度は種々の肝胆道病変により変化するが, その正確な濃度測定は胆汁の粘性のため困難であることなどより, 胆汁酸分泌との関連についても未だ不明の点が多い. しかし胆汁中カルシウムイオンの変動は胆汁酸代謝との関連において重要と考えられる. 今回われわれは胆汁酸分泌と胆汁中カルシウムイオン濃度の相互関係について実験的検討を加え知見を得たので報告する. 「方法」:胆汁中カルシウムイオンの測定は, イオンアナライザー(philips社)を用い, 牧野らのCa selective electrode法により測定した. 基礎的検討として本法による測定値に対するPH, ナトリウム塩濃度の影響を検討した. SD系雄性ラット(体重:250g)を用いて麻酔下に総胆管瘻を作成し胆汁を採取した. 1時間の自然流出量を測定した後, 1%アルブミンを含むウルソデオキシコール酸(UDCA)5μmol/100g体重を腸間膜静脈より注入, 経時的に3時間までの胆汁流量, PH, 胆汁中カルシウムイオン濃度, ナトリウムイオン濃度を測定した. 「成績」:本法によるカルシウムイオン測定は溶液中のPH7~9, ナトリウム塩濃度140~160mMまでの変化で測定値への影響は認められず, 再現性も良好であった. ラット胆汁での検討では, ラット胆汁はPH7.8~8.2, ナトリウム濃度は140~160mMであり, カルシウムイオン濃度は平均1.03mM/Lであった. UDCA投与後, カルシウムイオン濃度は平均3mM/L以上へと増加し, 胆汁流量の増加を伴うため, 明らかな排泄の上昇を認めた. 「結論」:1. 本法により胆汁中カルンウムイオン濃度が簡便に測定可能であることが確認された. 2. ラット胆汁における検討ではUDCA投与により明らかな胆汁中カルシウムイオンの排泄増加が認められた. |
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ISSN: | 0914-0077 |