演題12 胃切除後胆石症

胃切除後胆石症は, 胃切除後に発症する胆道疾患の一つとして最近再び注目されている. 過去6年間に当科で経験した胆石症336例中, 胃切除後発症した胆石症は28例(8.3%)に認められた. 〔1〕胃切除後胆石症28例の臨床的検討, 〔2〕胃切除後の胆嚢収縮能, 〔3〕胃切除後の胆汁組成について検討し若干の知見を得たので報告する. 〔1〕胃切除後胆石症症例の検討-28例- 性差は男20例, 女8例で男性に多く, 年齢は35~75歳, 平均59歳であった. 胃十二指腸疾患の内訳は胃十二指腸潰瘍10例, 胃癌17例, 胃肉腫1例, 再建術直別ではBillroth IIが21例と最も多くBillroth...

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Veröffentlicht in:胆道 1987, Vol.1 (2), p.273-273
Hauptverfasser: 桜庭清, 添野武彦, 須郷貴和, 佐藤勤, 伊藤誠司, 鈴木行三, 進藤和夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胃切除後胆石症は, 胃切除後に発症する胆道疾患の一つとして最近再び注目されている. 過去6年間に当科で経験した胆石症336例中, 胃切除後発症した胆石症は28例(8.3%)に認められた. 〔1〕胃切除後胆石症28例の臨床的検討, 〔2〕胃切除後の胆嚢収縮能, 〔3〕胃切除後の胆汁組成について検討し若干の知見を得たので報告する. 〔1〕胃切除後胆石症症例の検討-28例- 性差は男20例, 女8例で男性に多く, 年齢は35~75歳, 平均59歳であった. 胃十二指腸疾患の内訳は胃十二指腸潰瘍10例, 胃癌17例, 胃肉腫1例, 再建術直別ではBillroth IIが21例と最も多くBillroth I 13例, 食道空腸Roux 2例, 空腸間置1例であった. 結石部位は胆嚢20例, 総胆管4例, 胆嚢総胆管4例, 結石の種類は混合石4例, ビリルビン石灰石9例, 黒色石8例と色素胆石が圧倒的に多かった. 胃切除より胆石発見までの期間は最短0.5年, 最長25年, 平均7.4年で, 疾患別に見ると5年以内発生は胃癌14例, 潰瘍1例, 1年以内は胃癌のみ6例となり, リンパ節郭清を行なった症例に短期発生の傾向があった. 胆汁細菌検出率は78.6%と高率だった. 〔2〕胃切除後胆嚢収縮能の検討 胃癌8症例を対象として術前術後1ヵ月目にUSを施行し, Caerulein(0.2μg/kg)投与前後における胆嚢最大収縮率を, 2方向の胆嚢断面積より求め比較検討した. 術前の最大収縮率58.5±15.5%に対し, 術後は37.8±28.3%(p
ISSN:0914-0077