急性胆嚢炎の新しい治療: 胆嚢穿刺吸引法

超音波誘導下胆嚢穿刺吸引法による胆嚢内容の吸引と抗生剤の注入は,穿孔などの合併症を有していない急性胆嚢炎症例に対し,有効な治療手段である.筆者らは急性胆嚢炎36症例に対し,局麻下で右肋間より経皮経肝的に胆嚢を穿刺し胆嚢内容の吸引後,胆嚢造影と抗生剤の注入を行った。 その結果,本法を実施した全症例に炎症の消退がみられた.なお,有胆石症例は胆嚢炎鎮静後手術が施行されたが,無石10症例中8例は経過良好であり,他の2例は胆嚢炎後胆石形成がみられたため手術が施行された.また,抗生剤の全身投与のみの症例では,炎症消失に平均9日を要したのに対し,本法を行った症例では炎症が1日で鎮静化した.以上の成績より,本...

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Veröffentlicht in:胆道 1987/06/30, Vol.1(1), pp.117-123
Hauptverfasser: 高田, 道明, 木南, 義男, 横田, 啓, 山本, 広幸, 斉藤, 人志
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:超音波誘導下胆嚢穿刺吸引法による胆嚢内容の吸引と抗生剤の注入は,穿孔などの合併症を有していない急性胆嚢炎症例に対し,有効な治療手段である.筆者らは急性胆嚢炎36症例に対し,局麻下で右肋間より経皮経肝的に胆嚢を穿刺し胆嚢内容の吸引後,胆嚢造影と抗生剤の注入を行った。 その結果,本法を実施した全症例に炎症の消退がみられた.なお,有胆石症例は胆嚢炎鎮静後手術が施行されたが,無石10症例中8例は経過良好であり,他の2例は胆嚢炎後胆石形成がみられたため手術が施行された.また,抗生剤の全身投与のみの症例では,炎症消失に平均9日を要したのに対し,本法を行った症例では炎症が1日で鎮静化した.以上の成績より,本法は炎症の消退に有効なことより,急性胆嚢炎の治療法として有用であることが示唆された.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.1.1_117