エプーリスにおける女性ホルモンの影響について - 女性のライフステージに着目した歯周疾患の病態解明

「緒言」女性の体内では性ホルモンの周期変化によって様々な変化が生じ, 様々な病態を呈する. 性ホルモンの中でもエストロゲンは女性のライフステージにより増減が著明である. 歯肉にはエプーリスと呼ばれる炎症に伴う反応性, 増殖性の腫瘤性病変が発症する. その中には思春期性および妊娠性エプーリスが含まれ, 二次性徴が始まった直後の性ホルモンの周期の不安定性や妊娠に伴う性ホルモンの変化によって生じるという報告もある. 思春期性および妊娠期性エプーリスは病理組織学的には肉芽腫性エプーリスであるが, これらの病変は性ホルモンの周期の安定や出産後には自然消退することが知られている. しかしながら, 思春期・...

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Veröffentlicht in:松本歯学 2023-12, Vol.49 (2), p.91-98
Hauptverfasser: 前田風華, 岡藤弘実, 渡邊遊理, 土居洋介, 樋口琢善, 加藤嘉哉, 嶋田勝光, 村上聡
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」女性の体内では性ホルモンの周期変化によって様々な変化が生じ, 様々な病態を呈する. 性ホルモンの中でもエストロゲンは女性のライフステージにより増減が著明である. 歯肉にはエプーリスと呼ばれる炎症に伴う反応性, 増殖性の腫瘤性病変が発症する. その中には思春期性および妊娠性エプーリスが含まれ, 二次性徴が始まった直後の性ホルモンの周期の不安定性や妊娠に伴う性ホルモンの変化によって生じるという報告もある. 思春期性および妊娠期性エプーリスは病理組織学的には肉芽腫性エプーリスであるが, これらの病変は性ホルモンの周期の安定や出産後には自然消退することが知られている. しかしながら, 思春期・妊娠期性エプーリスの増殖や消退と性ホルモンの変化について詳細な機序は明かとなっていない. そこで我々は研究の前提としてエプーリスの構成細胞にエストロゲンレセプター (ER) が発現していること, ER局在の特徴を確認する必要があると考えた.
ISSN:0385-1613