松本歯科大学第4学年保存修復学実習でのロールプレイングの導入に対する学生からの評価

「緒言」 歯学部学生の卒前教育に必要不可欠な基本的歯科医学の教育内容を明記すべく, 2001年3月に歯学教育モデル・コア・カリキュラム(以下, 歯学コアカリと略す)が制定された. 歯学コアカリは従来の見学型臨床実習から診療参加型臨床実習への回帰・転換を軸としたものであり, 臨床実習開始前に到達しておくべき臨床能力レベルが明記されている. また, 各大学歯学部の学生が臨床実習開始前までに到達しておくべき標準的な臨床能力レベルを満たしているかどうかを測るべく, 2006年からは臨床実習前の共用試験としてCBT(Computer Based Testing)とOSCE(Objective Structured Clinical Examination)が導入された. CBTでは臨床能力のうち主に知識レベルを, OSCEでは主に技能と態度のレベルを測る評価法として活用されている. これら共用試験の本格実施からすでに15年以上が経過しており, 特にOSCEは共用試験診療参加型臨床実習前客観的臨床能力試験(Pre-CC OSCE)という正式名称で現在に至っている.