上顎洞底部の含気化がみられた患者に対して歯科用インプラント埋入を行った2症例
「緒言」上顎骨は骨密度が疎な海綿骨が主体であり, 上顎洞を有している. その上顎洞は最大の副鼻腔であり, 上顎洞壁は前壁, 内側壁(鼻腔外側壁), 上顎洞後壁(翼口蓋窩), 上壁(眼窩底), 上顎洞底部から構成されている. 形態は発育状態によりさまざまであるが, 上顎洞底部は前方に浅く後方に行くにしたがって深くなっており, 解剖学的に上顎小・大臼歯根尖部と非常に近接していることがある. 上顎洞の排泄経路は自然孔で内側壁の上方に位置し, 分泌物は篩骨漏斗の後方から出て中鼻道の半月裂孔へ排泄される. 機能的には, 含気空洞(吸気の保湿, 保温), 脳頭蓋の保護や発声の共鳴などがあげられている. 上...
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Veröffentlicht in: | 松本歯学 2019-06, Vol.45 (1), p.27-32 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」上顎骨は骨密度が疎な海綿骨が主体であり, 上顎洞を有している. その上顎洞は最大の副鼻腔であり, 上顎洞壁は前壁, 内側壁(鼻腔外側壁), 上顎洞後壁(翼口蓋窩), 上壁(眼窩底), 上顎洞底部から構成されている. 形態は発育状態によりさまざまであるが, 上顎洞底部は前方に浅く後方に行くにしたがって深くなっており, 解剖学的に上顎小・大臼歯根尖部と非常に近接していることがある. 上顎洞の排泄経路は自然孔で内側壁の上方に位置し, 分泌物は篩骨漏斗の後方から出て中鼻道の半月裂孔へ排泄される. 機能的には, 含気空洞(吸気の保湿, 保温), 脳頭蓋の保護や発声の共鳴などがあげられている. 上顎洞のX線画像所見はX線透過像を示し, 洞壁はX線不透過像を有する. 上顎洞底部含気化(pneumatization)は含気した上顎洞が正常範囲を超えた拡張を示す病態で, 洞底部が低位に位置し, 歯槽骨量が少なく洞壁と歯根尖部または歯槽骨頂部が極めて近接していることがあり, 男性に多いとされる. |
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ISSN: | 0385-1613 |