10. 人歯3次元モデルの作成 第5報-全顎モデル
【目的】 著者らは, 誰もが使用できる3次元人歯データーベースの構築を目的とし, 抜去歯35本, 齲蝕歯52本, 異常歯120本, 乳歯72本の3元モデルを既に作成し, 人歯のデーターベースとしては一応の完成をみた. 今回は, 歯科用CTにより撮影された2名の3次元全顎モデルを作成したので報告する. 【方法】 歯科用CTにより, 0.1×0.1mm間隔で撮影された14歳男児と65歳男性の断層画像(約1600枚)より, アーチファクトをフォトショップの自動処理機能を使用して消去した後, Micro-AVSを用いて可視化した. 【結果】 良好なCT画像からの可視化は, 人歯1本と同様の約10分で完...
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Veröffentlicht in: | 松本歯学 2009, Vol.35 (2), p.230-231 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】 著者らは, 誰もが使用できる3次元人歯データーベースの構築を目的とし, 抜去歯35本, 齲蝕歯52本, 異常歯120本, 乳歯72本の3元モデルを既に作成し, 人歯のデーターベースとしては一応の完成をみた. 今回は, 歯科用CTにより撮影された2名の3次元全顎モデルを作成したので報告する. 【方法】 歯科用CTにより, 0.1×0.1mm間隔で撮影された14歳男児と65歳男性の断層画像(約1600枚)より, アーチファクトをフォトショップの自動処理機能を使用して消去した後, Micro-AVSを用いて可視化した. 【結果】 良好なCT画像からの可視化は, 人歯1本と同様の約10分で完了したのに対し, あまり良好でない画像からの可視化には数ヶ月を要した. 可視化した全顎像からは, 歯根を取り巻く骨の状態や, それを支える骨梁の状態を3次元的に観察可能であった. また, 上下顎の骨の違いも明瞭に観察された. 2次元画像である, X線像と比較すると, 3次元可視化像は極めて正確に骨の状態を把握することが可能であった. また, 3次元モデルから2次元のX線画像を作製することも容易であった. 【考察】 得られたCT画像の画質により, 全顎モデルの作成に大きな時間的差異が生じたことから, 全顎モデルの集積には良好な画像を得る撮影技術が不可欠であると考えられた. 歯科用CTから得られる画像を利用しても, 解剖学的に十分精密なモデルを作成することが可能であり, 構築に要する時間も現実的なものであることから, 患者さんの承諾の元, 臨床上のCT画像から3次元可視化像を作製し, 蓄積してゆくシステムの構築が急務と考えられる. 2次元X線像から, 3次元の骨状態を想像するためには, 3次元画像とX線画像とを比較する訓練が不可欠と考えられるが, 3次元モデルから2次元のX線画像を容易に作製可能であることから, X画像の読図訓練にも利用が可能と思われる. 【まとめ】 歯科用CT画像から, 3次元画像を作成するのに要した時間は10分程度であり, 教育, 研究のみならず, 臨床的にも患者さんへの説明に使用可能と考えられた. 今後は, 患者さんの承諾の元, 臨床上のCT画像から3次元モデルを作製し, 蓄積してゆくシステムの構築が急務である. |
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ISSN: | 0385-1613 |