カンボジア人にみられた巨大な歯原性粘液腫の1症例

「緒言」歯原性粘液腫は, 神経堤細胞由来の神経外胚葉性間葉から発生する比較的稀な良性腫瘍である. また, 本腫瘍は大きなものも報告されているが, 我々の調べた範囲内においては, これまでに報告されてきたものの長径は10cm以下であった1-3). 今回我々は, カンボジア人女性の下顎前歯部に発生した, 非常に大きい本腫瘍の1症例を病理組織学的に検討する機会が得られた. そこで若干の文献的考察を加えその概要を報告する. 「症例」患者:40歳, カンボジア人女性 主訴:下顎前歯部歯肉腫脹 既往歴:特記事項なし 家族歴:特記事項なし 現病歴:患者は15年ほど前に, 下顎前歯部歯肉の腫脹を自覚した. 腫...

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Veröffentlicht in:松本歯学 2008-04, Vol.34 (1), p.13-17
Hauptverfasser: 村岡理奈, 渡邉武寛, 中野敬介, 川上敏行
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」歯原性粘液腫は, 神経堤細胞由来の神経外胚葉性間葉から発生する比較的稀な良性腫瘍である. また, 本腫瘍は大きなものも報告されているが, 我々の調べた範囲内においては, これまでに報告されてきたものの長径は10cm以下であった1-3). 今回我々は, カンボジア人女性の下顎前歯部に発生した, 非常に大きい本腫瘍の1症例を病理組織学的に検討する機会が得られた. そこで若干の文献的考察を加えその概要を報告する. 「症例」患者:40歳, カンボジア人女性 主訴:下顎前歯部歯肉腫脹 既往歴:特記事項なし 家族歴:特記事項なし 現病歴:患者は15年ほど前に, 下顎前歯部歯肉の腫脹を自覚した. 腫瘤の発育は緩慢であったが徐々に増大傾向を示した. しかし同部には自発痛や誘発痛等は認められなかったとのことである. なお腫瘤に対する外科的治療は12年前までに2度なされたと言う. その後再発したが, 上記同様に無症状のために放置していた.
ISSN:0385-1613