右側大動脈弓, 左鎖骨下動脈, 動脈管索, 椎骨動脈
「諸言」2006年度松本歯科大学解剖学実習において, 左鎖骨下動脈を最終枝とする右側大動脈弓の破格例に遭遇した. 右側大動脈弓は発生学的には胎生4週から形成される右第4鰓弓動脈と右背側大動脈が残存したものである. 他の臓器に合併症状を持つ場合が多く, 臨床的には胸部X線撮影や大動脈造影, 食道造影を実施した場合に見出されることが多い11). しかしながら左鎖骨下動脈を最終枝とする右側大動脈弓(N型と称する)が解剖学実習で見出されることは比較的希でその報告例も少ない. Kasai et al.3)の報告ではN型は0.1~0.2%の頻度で出現するとされているが, 当大学解剖実習体(総解剖数794体...
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Veröffentlicht in: | 松本歯学 2007, Vol.33 (3), p.322-326 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「諸言」2006年度松本歯科大学解剖学実習において, 左鎖骨下動脈を最終枝とする右側大動脈弓の破格例に遭遇した. 右側大動脈弓は発生学的には胎生4週から形成される右第4鰓弓動脈と右背側大動脈が残存したものである. 他の臓器に合併症状を持つ場合が多く, 臨床的には胸部X線撮影や大動脈造影, 食道造影を実施した場合に見出されることが多い11). しかしながら左鎖骨下動脈を最終枝とする右側大動脈弓(N型と称する)が解剖学実習で見出されることは比較的希でその報告例も少ない. Kasai et al.3)の報告ではN型は0.1~0.2%の頻度で出現するとされているが, 当大学解剖実習体(総解剖数794体)では初めてである. 著者らは本例を含め, 現在までに報告されているN型の例をまとめて報告する.「所見」本破格は, 胃ガンで死亡した84歳日本人男性に見出された. 心臓は正常位置で心奇形および他の内臓逆位は認められなかった. 上行大動脈は, 外径約30mmで左心室より起こり食道と気管の右側を上行し, 第1胸椎の高さを頂点とした大動脈弓に移行し, 右背側へ彎曲し脊柱の右側を下行して, 下行大動脈に移行した. |
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ISSN: | 0385-1613 |