急性炎症時におけるサイトカインの関与―三叉神経節細胞でのSTAT3の変化
「諸言」歯科疾患は, 歯髄炎や歯周炎といった炎症と関連するものが大半を占め, 激烈な「痛み」を伴って来院する症例が多く認められる. この「痛み」は医療現場における重要な課題であり「痛み」のメカニズム解明, 特に炎症性疼痛の病態を解明することは重要であるといえる. その理由として, 消炎鎮痛を目的とする適切な治療薬や治療法が確立されつつあるものの, まだ副作用の問題など課題も多いことがあげられる. 炎症時の「痛み」のメカニズムに関する研究では, カプサイシンをラット上口唇に注入する急性炎症モデルを用いて研究されている1-4). カプサイシンは, 唐辛子などの主成分であり, vanillyl基を有...
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Veröffentlicht in: | 松本歯学 2007-12, Vol.33 (3), p.291-298 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「諸言」歯科疾患は, 歯髄炎や歯周炎といった炎症と関連するものが大半を占め, 激烈な「痛み」を伴って来院する症例が多く認められる. この「痛み」は医療現場における重要な課題であり「痛み」のメカニズム解明, 特に炎症性疼痛の病態を解明することは重要であるといえる. その理由として, 消炎鎮痛を目的とする適切な治療薬や治療法が確立されつつあるものの, まだ副作用の問題など課題も多いことがあげられる. 炎症時の「痛み」のメカニズムに関する研究では, カプサイシンをラット上口唇に注入する急性炎症モデルを用いて研究されている1-4). カプサイシンは, 唐辛子などの主成分であり, vanillyl基を有する化学構造をもつ. この物質は, 皮下などの末梢組織に注入すると激烈な痛みと急性炎症を惹起する物質として知られている. 1997年にはカプサイシン受容体TRPV1(transient receptor potential V1)の立体構造, 機能構造などが明らかにされ, 現在の痛み研究において最も注目されている5,6). |
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ISSN: | 0385-1613 |