インプラント材としてのチタンの機械的性質-純度による影響

「緒言」チタン展伸材の全世界における総出荷量は4万トンを越すものであり, その内日本では1万4千トン以上が出荷され, 毎年増加傾向にある1). また, 歯科用チタン製インプラント材についても使用頻度は増加している. 近年, 歯科用チタン製インプラント材はJIS第2種を用いる会社と第4種を用いる会社がある2, 3). それぞれのインプラント材は各製造会社の研究結果から選択がなされている. JISは2000年までは第1種から3種までが, 2001年から4種が追加され, 主に酸素, 窒素と鉄の含有量によって分類されている4, 5). 第2種の酸素は0.20wt%, 窒素は0.03wt%, 鉄は0.2...

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Veröffentlicht in:松本歯学 2005-08, Vol.31 (2), p.149-154
Hauptverfasser: 小野擴仁, 早野圭吾, 平晃一, 永沢栄, 伊藤充雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」チタン展伸材の全世界における総出荷量は4万トンを越すものであり, その内日本では1万4千トン以上が出荷され, 毎年増加傾向にある1). また, 歯科用チタン製インプラント材についても使用頻度は増加している. 近年, 歯科用チタン製インプラント材はJIS第2種を用いる会社と第4種を用いる会社がある2, 3). それぞれのインプラント材は各製造会社の研究結果から選択がなされている. JISは2000年までは第1種から3種までが, 2001年から4種が追加され, 主に酸素, 窒素と鉄の含有量によって分類されている4, 5). 第2種の酸素は0.20wt%, 窒素は0.03wt%, 鉄は0.25wt%, 第4種の酸素は0.40wt%, 窒素は0.05wt%, 鉄0.5wt%である. 酸素, 窒素と鉄の含有量によって機械的性質は左右され, 第2種の引張強さは340-510MPa, 耐力は215MPa以上, 伸びは23%以上, 第4種の引張強さは550-750MPa, 耐力は485MPa以上, 伸びは15%以上と, 定められている5). 前記のように機械的性質が規格化され市販されている. 一方, 臨床ではインプラント体の破折例が報告されており, 第2種と第4種の機械的性質の特徴について明らかにすることは, 使用する領域やインプラント体の最小径の特定が可能となり, 変形や破折の回避につながると考えられる6, 7).
ISSN:0385-1613