上下顎第三大臼歯までの排列を行った抜歯症例

「緒言」 骨格的に著しい不調和の認められない叢生症例では, 小臼歯抜歯により叢生や歯軸の改善をおこない, その後半埋伏または埋伏智歯を抜歯することが多い. その結果として4本の小臼歯と4本の第三大臼歯の8本を抜歯する症例も少なくない. つまり, 叢生症例において第三大臼歯は抜歯されるのが一般的であり, 第三大臼歯を積極的に咬合に参加させることは少なかった. そして, 第三大臼歯の抜歯を行う理由は, 萌出余地不足や萌出方向の異常, 半萌出時のう蝕や歯冠周囲炎などを予防することである. そこで, 第三大臼歯の抜歯をさけるためには, 萌出余地をつくり歯軸の改善や清掃可能な状態にすることが必要と思われ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:松本歯学 2004-12, Vol.30 (3), p.238-245
Hauptverfasser: 名和孝行, 臼井暁昭, 栗原三郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 骨格的に著しい不調和の認められない叢生症例では, 小臼歯抜歯により叢生や歯軸の改善をおこない, その後半埋伏または埋伏智歯を抜歯することが多い. その結果として4本の小臼歯と4本の第三大臼歯の8本を抜歯する症例も少なくない. つまり, 叢生症例において第三大臼歯は抜歯されるのが一般的であり, 第三大臼歯を積極的に咬合に参加させることは少なかった. そして, 第三大臼歯の抜歯を行う理由は, 萌出余地不足や萌出方向の異常, 半萌出時のう蝕や歯冠周囲炎などを予防することである. そこで, 第三大臼歯の抜歯をさけるためには, 萌出余地をつくり歯軸の改善や清掃可能な状態にすることが必要と思われる. また, Tweed1)による保定中に第三大臼歯の萌出および咬合が認められた報告はあるが, 第三大臼歯をマルチブラケット装置により積極的にコントロールしている報告は少ない2)3). 本症例では, 谷田部の報告4)を参考としポステリアーディスクレパンシーを考慮し, 小臼歯部の抜歯を行い叢生の改善と第三大臼歯の萌出余地の確保を行った. また, マルチブラケット装置を用いて第三大臼歯を積極的に排列し, 良好な咬合が得られたと同時に, 側貌の改善が認められたので報告する.
ISSN:0385-1613