クローズドロックに継発する前歯部開咬の臨床的特徴
目的:近年,クローズドロックに継発する前歯部開咬(acquired anterior open bite subsequent to temporomandibular joint closed lock:AAOB-SCL)の存在が問題視されるようになってきたが,その実態には不明な点が多い.本研究ではその臨床的特徴をレトロスぺクティブに検討した.方法:対象は当科受診患者の中でクローズドロック発症後に前歯部開咬が発現したという経過が確認できた24名で,AAOB-SCLを有しないクローズドロック患者24名と比較した.関節リウマチ症例は対象から除いた.結果:開咬発現時期はクローズドロック発症から3カ...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会誌 2016, Vol.8(3), pp.281-288 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:近年,クローズドロックに継発する前歯部開咬(acquired anterior open bite subsequent to temporomandibular joint closed lock:AAOB-SCL)の存在が問題視されるようになってきたが,その実態には不明な点が多い.本研究ではその臨床的特徴をレトロスぺクティブに検討した.方法:対象は当科受診患者の中でクローズドロック発症後に前歯部開咬が発現したという経過が確認できた24名で,AAOB-SCLを有しないクローズドロック患者24名と比較した.関節リウマチ症例は対象から除いた.結果:開咬発現時期はクローズドロック発症から3カ月を超えたものが多かった.5名で開咬発現前のスプリント使用歴がなく,比率はコントロール群と差がなかった.開咬部位は前歯部から両側第1大臼歯部にかけてみられ,臼歯部では反対側の接触がより少なかった.開口距離はコントロール群よりも有意に大きかった.すべての症例においてクローズドロック発現側の下顎頭の変形が認められ,その比率はコントロール群よりも有意に高かった.結論:AAOB-SCLはクローズドロック慢性期で開口障害が改善傾向にある時期に起こりやすいこと,前歯部だけでなく最後臼歯を除く臼歯部にかけても起こり,臼歯部では反対側の接触がより少なくなること,必ずしもスプリントの使用を伴っていないことが明らかとなった. |
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ISSN: | 1883-4426 1883-6860 |
DOI: | 10.2186/ajps.8.281 |