ナノジルコニア添加による常温重合レジンへのX線造影性付加の検討: 歯科麻酔科からみた誤飲・誤嚥事故防止策としての暫間補綴処置材料の開発
目的:嚥下や喉頭反射機能が低下した高齢者や鎮静下処置・全身麻酔管理下の患者では,義歯や暫間被覆冠(以下: 暫間処置材)の脱落は時に致死的な状況をもたらすが,日常的に直接口腔内処置に関わらない医科麻酔科医や救急科医などの認識は高くない.本研究は,歯科理工学的物性検証及び補綴臨床と麻酔科・救急医療領域との連携を考察する上で,暫間処置材などに用いられているX線造影性を伴わない常温重合レジンに,新たにX線造影性を付与し,従来発見されにくかった異物誤嚥による難治性誤嚥性肺炎の発生や窒息死亡事故の防止につなげることを目的とした. 方法:ナノジルコニア粉末(東ソーTZ-0)を用い暫間処置の素材である常温重合...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会誌 2015, Vol.7(3), pp.249-257 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:嚥下や喉頭反射機能が低下した高齢者や鎮静下処置・全身麻酔管理下の患者では,義歯や暫間被覆冠(以下: 暫間処置材)の脱落は時に致死的な状況をもたらすが,日常的に直接口腔内処置に関わらない医科麻酔科医や救急科医などの認識は高くない.本研究は,歯科理工学的物性検証及び補綴臨床と麻酔科・救急医療領域との連携を考察する上で,暫間処置材などに用いられているX線造影性を伴わない常温重合レジンに,新たにX線造影性を付与し,従来発見されにくかった異物誤嚥による難治性誤嚥性肺炎の発生や窒息死亡事故の防止につなげることを目的とした. 方法:ナノジルコニア粉末(東ソーTZ-0)を用い暫間処置の素材である常温重合レジンへのX線造影性の付与を試み,放射線診断学測定(X線造影性・均一分散性)および歯科理工学的物性(三点曲げ強さ・初期硬化時間・表面硬さ)を測定した. 結果:ナノジルコニアの添加により,添加量依存性にレジンのX線造影性を向上させ表面硬さを保つが,一定の機械的強度・耐性上の劣化,初期硬化時間の軽度延長もみられた. 結論:常温重合レジンへ30~40wt%の適切な配合でナノジルコニア添加を行うことにより,歯科理工学的物性を損なわずに暫間補綴処置における臨床応用の可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1883-4426 1883-6860 |
DOI: | 10.2186/ajps.7.249 |