頭位の側方傾斜が下顎位に及ぼす影響

目的:本研究では,頭位の側方傾斜度を変化させた際の顆頭点および切歯点の三次元的位置を測定し,頭位の側方傾斜と下顎位の関連性を検討した. 方法:被験者は健常有歯顎者30名とし,上顎にはアンテリアジグを,下顎にはパラオクルーザルクラッチを装着し,Win Jaw SystemⓇを用いて顆頭点と切歯点の位置を記録した.頭位の側方傾斜の条件は,0°と5°,10°,15°,20°,25°,30°傾斜させた計7条件とした.各条件において,頭位の側方傾斜による顆頭点の前後方向,左右方向,上下方向の偏位量および切歯点の前後方向,左右方向の偏位量を測定した.分析は,頭位の側方傾斜度による顆頭点および切歯点の偏位量...

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会誌 2014, Vol.6(3), pp.300-308
Hauptverfasser: 中島, 優, 小出, 馨, 荒川, いつか, 小出, 勝義
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:本研究では,頭位の側方傾斜度を変化させた際の顆頭点および切歯点の三次元的位置を測定し,頭位の側方傾斜と下顎位の関連性を検討した. 方法:被験者は健常有歯顎者30名とし,上顎にはアンテリアジグを,下顎にはパラオクルーザルクラッチを装着し,Win Jaw SystemⓇを用いて顆頭点と切歯点の位置を記録した.頭位の側方傾斜の条件は,0°と5°,10°,15°,20°,25°,30°傾斜させた計7条件とした.各条件において,頭位の側方傾斜による顆頭点の前後方向,左右方向,上下方向の偏位量および切歯点の前後方向,左右方向の偏位量を測定した.分析は,頭位の側方傾斜度による顆頭点および切歯点の偏位量の違いについて,反復測定による一元配置分散分析を行い,その後Bonferroni法により多重比較検定を行った. 結果:頭位の側方傾斜により,傾斜側顆頭点の偏位量は頭位の傾斜度が増すにつれて増加傾向を示したが,前後方向,左右方向,上下方向ともに有意差は認められなかった.非傾斜側顆頭点は頭位の傾斜度が増すにつれて前下方へ偏位し,10°以上の傾斜条件で基準との間に偏位量の差が認められた.切歯点は頭位の傾斜度が増すにつれて傾斜側前方へ偏位し,10°以上の傾斜条件で有意差が認められた. 結論:頭位の側方傾斜は下顎を傾斜側前方へ偏位させることが明らかとなり,傾斜度の増加に伴い偏位量が増す傾向が示唆された.
ISSN:1883-4426
1883-6860
DOI:10.2186/ajps.6.300