インプラント補綴前後の咀嚼能力と口唇周囲軟組織運動の客観的評価を行った症例
症例の概要:対象者は61歳男性で,インプラントによる固定式補綴を行った患者である.術前術後および2年経過時の咀嚼能力,最大咬合力および口唇周囲軟組織運動の変化を測定し,コントロール群11名と比較検討を行った. 考察:本症例において,咀嚼能力値は術後の測定ではコントロール群と比較して右側で約70%,左側で約50%程度の値であったが,2年経過時においてはコントロール群と同等の値となった.術前後ともにみられた左右差も2年経過後はほぼ均等となった.最大咬合力においても同様の結果が得られた.軟組織運動では,術前にみられた偏位的な動きや不規則な動きが減少してきてはいるが,コントロール群と比較してもまだ良好...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会誌 2012, Vol.4(3), pp.302-311 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例の概要:対象者は61歳男性で,インプラントによる固定式補綴を行った患者である.術前術後および2年経過時の咀嚼能力,最大咬合力および口唇周囲軟組織運動の変化を測定し,コントロール群11名と比較検討を行った. 考察:本症例において,咀嚼能力値は術後の測定ではコントロール群と比較して右側で約70%,左側で約50%程度の値であったが,2年経過時においてはコントロール群と同等の値となった.術前後ともにみられた左右差も2年経過後はほぼ均等となった.最大咬合力においても同様の結果が得られた.軟組織運動では,術前にみられた偏位的な動きや不規則な動きが減少してきてはいるが,コントロール群と比較してもまだ良好な動きをしているとは言い難い.しかし2年経過し,咀嚼機能が改善し機能的に良好な咀嚼運動が行われているこの時期では,よりコントロール群に近い良好な咀嚼運動が行われていることがわかった. 結論:補綴治療後の咀嚼能力の向上に伴い,経時的により調和のとれた軟組織の運動が行われてきていることがわかった.すなわち良好な機能には良好な形態が伴う可能性が示され,口唇周囲の軟組織の観察によって咀嚼機能改善の程度を評価できる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1883-4426 1883-6860 |
DOI: | 10.2186/ajps.4.302 |