9. 下顎片側遊離端義歯における設計条件の差異が支台歯の負担と義歯床の変位に及ぼす影響

「I. 目的」:片側遊離端義歯においては義歯床の変位を抑えると同時に, 支台歯の過重負担を避けるような支台装置の設計が必要となる. 本研究の目的は片側遊離端義歯における支台装置の設計の差異が, 支台歯の圧負担と義歯の変位に及ぼす影響について検討し, 力学的に好ましい支台装置の設計を明らかにすることである. 「II. 方法」:支台歯の圧負担と義歯の変位の計測のために3次元有限要素法を用いた. 下顎第1, 下顎第2大臼歯欠如に支台装置の設計の異なる3種類の可撤性義歯を装着したモデルを作成した. すなわち第1小臼歯および第2小臼歯にエーカースクラスプを設定した設計A, 第1小臼歯および第2小臼歯にツ...

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会雑誌 2008, Vol.52 (3), p.450-450
Hauptverfasser: 粟生田晃一, 嶋村一郎, 櫻井薫, 田原靖章
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 目的」:片側遊離端義歯においては義歯床の変位を抑えると同時に, 支台歯の過重負担を避けるような支台装置の設計が必要となる. 本研究の目的は片側遊離端義歯における支台装置の設計の差異が, 支台歯の圧負担と義歯の変位に及ぼす影響について検討し, 力学的に好ましい支台装置の設計を明らかにすることである. 「II. 方法」:支台歯の圧負担と義歯の変位の計測のために3次元有限要素法を用いた. 下顎第1, 下顎第2大臼歯欠如に支台装置の設計の異なる3種類の可撤性義歯を装着したモデルを作成した. すなわち第1小臼歯および第2小臼歯にエーカースクラスプを設定した設計A, 第1小臼歯および第2小臼歯にツインクラスプを設定した設計B, 第1小臼歯にレスト, 第2小臼歯にバックアクションクラスプを設定した設計Cである. そして義歯咬合面部に垂直方向, 舌側方向および頬舌方向の斜め荷重方向を加えた. それぞれの荷重時にクラスプを介して支台歯に加わる負担と義歯床の変位量を比較, 検討した. 「III. 結果と考察」:垂直荷重時, 舌側方向荷重時および頬側方向荷重時における支台歯の垂直方向と頬舌側方向の負担は, 設計Aより設計Bと設計Cが小さかった. 舌側方向荷重時における義歯床の上下的変位量および頬舌的変位量は設計Bおよび設計Cより設計Aのほうが小さかった. また, 設計Cにおける義歯床の変位量は, 頬側方向荷重時には, 設計Bより小さいが, 舌側方向荷重時の回転変位が大きいことが認められた. 以上の結果から, この条件の範囲内では, 設計Aの義歯床の変位が設計B, 設計Cより小さいが, 支台歯の負担が大きくなることが明らかになった.
ISSN:0389-5386