10. 口腔インプラントセンターにおける地域医療との連携

「I. 目的」日本歯科大学新潟病院は, 大学教育機関としての機能のみならず, 地域歯科医療支援病院として, 地域の診療所や病院の歯科医師, 医師により, 歯や口, あごに関して詳しい検査や特殊な専門的治療, 入院, 手術が必要と診断され, 紹介を受け治療をおこなう病院でもある. また, 単に紹介を受け治療するだけでなく, 紹介先の先生と共に患者さんの診療を行い地域との連携をはかっている. 平成7年に開設され広く地域との連携をとり, インプラントに関わる診査, 診断, 埋入手術, 上部構造の設計相談, 製作, メインテナンスなど, 診療の一部やそのすべてを担う施設として診療を行っている. これらについて報告する. 「II. 方法」口腔インプラントセンターの診療の流れと地域との連携, 学生の教育, 専門医取得のための研修プログラムなどの現状をまとめた. 「III. 結果と考察」口腔インプラントセンターでは5種(CAMLOG, Xive, SPI, Straumann, ASTRA)のシステムが用いられている. 昨年度は132名の患者に対し257本のインプラントを埋入している. そのうち骨移植を伴う症例は13症例, CT撮影を行っている症例は27症例であった. 診査診断は各分野の専門医による模型においての診断用ワキシング, ステントを用いたエックス線撮影, CT撮影時にはシンプラントによるより正確な埋入方向や骨移植の必要性の診断を行うとともに, 骨移植や埋入手術の依頼, またセンターでの紹介医との共同治療といった地域からの要望にも対応している.