はたして歯周病患者にはどのような補綴方法が有効か?: Part 1 : 歯周病患者に対するインプラント治療の文献Review

目的 : 多くの実験的・臨床的研究から, インプラント治療は, 無歯顎および部分的欠損歯列の患者に対して予知性の高い治療法であることが示されてきている. しかし, 歯周病の既往を有する患者に対してもインプラントを適用できるかどうかは, 不明な部分が多い. 今回は, 歯周病の既往を有する部分的欠損歯列の患者に対するインプラント治療の科学的背景を考察した. 研究の選択 : 部分的欠損歯列となった歯周病患者に対してインプラント治療を行い, その成功率あるいは生存率を報告している臨床研究を選択し, レビューを行った. 結果 : 今回レビューを行った22本の論文では, 短~中期的予後において, 良好なイ...

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会雑誌 2008/04/10, Vol.52(2), pp.135-142
Hauptverfasser: 菅野, 太郎, 中村, 圭祐, 林, 栄成, 猪飼, 紘代, 弘岡, 秀明, 木村, 幸平
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的 : 多くの実験的・臨床的研究から, インプラント治療は, 無歯顎および部分的欠損歯列の患者に対して予知性の高い治療法であることが示されてきている. しかし, 歯周病の既往を有する患者に対してもインプラントを適用できるかどうかは, 不明な部分が多い. 今回は, 歯周病の既往を有する部分的欠損歯列の患者に対するインプラント治療の科学的背景を考察した. 研究の選択 : 部分的欠損歯列となった歯周病患者に対してインプラント治療を行い, その成功率あるいは生存率を報告している臨床研究を選択し, レビューを行った. 結果 : 今回レビューを行った22本の論文では, 短~中期的予後において, 良好なインプラントの生存率や成功率が示されていた. 結論 : 長期的な追跡研究は非常に少ないが, 歯周病の既往を有する患者に対してもインプラント治療が応用できることが示唆された. ただし, どの報告においても, インプラントを埋入する前に口腔内における感染に対する治療を行っており, 埋入後は定期的なメインテナンスを行うことの重要性も強調されている. 臨床的に重度歯周炎に罹患していたと考えられる患者に対してもインプラント治療が応用できる可能性が示唆されているが, 少なくとも口腔内の感染源を徹底的にコントロールできる見通しがなければ行うべきではない.
ISSN:0389-5386
1883-177X
DOI:10.2186/jjps.52.135