2. 上顎前歯部をロングスパンブリッジで修復した症例

「I. 目的」臨床上臼歯部が動揺し前歯部が欠損している症例に遭遇することがある. このような症例に対する処置方法としては様々な方法があるが今回はブリッジをクロスアーチにして一次固定を行って修復し, 動揺歯群に対する一次固定と審美的かつ機能的な回復が図れたので報告を行った. 「II. 方法」咬合性外傷である動揺歯を咬合調整して動揺がおさまるまで経過観察し, 臼歯部の形成, プロビジョナルクラウンの作製, 印象, 咬合採得を行った. そしてフェイスボートランスファーを行い, 咬合器付着を行った. 咬頭傾斜は側方運動時に犬歯でガイドし臼歯で離開する犬歯誘導となるようにし, なるべく咬頭傾斜は緩くなる...

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会雑誌 2007, Vol.51 (2), p.411-411
Hauptverfasser: 土田潤一郎, 北條了, 徳丸慎吾, 長岡俊樹, 秋本明子, 小飯田武広, 尾辻剛, 豊田實
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 目的」臨床上臼歯部が動揺し前歯部が欠損している症例に遭遇することがある. このような症例に対する処置方法としては様々な方法があるが今回はブリッジをクロスアーチにして一次固定を行って修復し, 動揺歯群に対する一次固定と審美的かつ機能的な回復が図れたので報告を行った. 「II. 方法」咬合性外傷である動揺歯を咬合調整して動揺がおさまるまで経過観察し, 臼歯部の形成, プロビジョナルクラウンの作製, 印象, 咬合採得を行った. そしてフェイスボートランスファーを行い, 咬合器付着を行った. 咬頭傾斜は側方運動時に犬歯でガイドし臼歯で離開する犬歯誘導となるようにし, なるべく咬頭傾斜は緩くなるようにメタルフレームを設計した. 試適後キャスト時の変形によってメタルフレームが入らない場合はポンティック部で切断し, マージンの適合がよければパターンレジンで固定してレーザー溶接を行う. そしてレジンかワックスでメタルフレーム上にある程度の形態を作ってもらい, 歯の形態(丸み, 長さ, 幅, 左右対称かなど)を決定する. そしてビスケットベイク時にマージンや基底面が足りない場合はパターンレジンを盛り, 模型を改造して修正する. そしてセットを行った. 「III. 結果と考察」クロスアーチに修復した結果, 動揺歯群の動揺は消失し, 側方運動に対する抵抗ができ, 審美的, 機能的に回復することができた. 他の方法で修復したら臼歯部の動揺が再び起きる可能性は否定できない. 患者は非常に満足しており, 現在定期的に予後をみているところである.
ISSN:0389-5386