9. 急速加熱型石膏系埋没材の再利用について
「I. 目的」歯科において歯冠修復や欠損補綴を行う際には個々に異なった形態の患歯に対応する必要性から, ロストワックス法による精密鋳造法が行なわれてきた. ところが, ロストワックス法を応用した場合, 鋳造後の鋳型材は産業廃棄物となり, 近年の環境問題から考えても石膏系埋没材が埋め立てられた場合, 環境汚染が発生することが予想される. そこで, 生態系を破壊せず, 環境保護に役立つシステムを構築する事を目的としてより使用量の多い石膏系埋没材の再利用を考えた. 「II. 方法」埋没材には, クリスト21を用いて, 再利用を目的に添加する埋没材を調製するためにメーカー指示の混水比にて練和し, 焼却...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2007, Vol.51 (2), p.399-399 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 目的」歯科において歯冠修復や欠損補綴を行う際には個々に異なった形態の患歯に対応する必要性から, ロストワックス法による精密鋳造法が行なわれてきた. ところが, ロストワックス法を応用した場合, 鋳造後の鋳型材は産業廃棄物となり, 近年の環境問題から考えても石膏系埋没材が埋め立てられた場合, 環境汚染が発生することが予想される. そこで, 生態系を破壊せず, 環境保護に役立つシステムを構築する事を目的としてより使用量の多い石膏系埋没材の再利用を考えた. 「II. 方法」埋没材には, クリスト21を用いて, 再利用を目的に添加する埋没材を調製するためにメーカー指示の混水比にて練和し, 焼却炉にて700℃で30分係留し, 大気中にて徐冷後, 作製した再利用埋没材の試料片を実験用遊星型ボールミルP-6にて粉砕を行った. これを再利用埋没材とし従来の埋没材に10%ごと加え試料片を作成した. これらを用い, 再利用埋没材の機械的性質・X線回折・鋳造体の適合性について検討を行った. 「III. 結果と考察」歯科用石膏系埋没材の再利用の可能性について検討を行ったところ, 種々の機械的性質から40%添加までは規格値から逸脱しない結果を得た. X線回折の結果から焼成前後差で認められたのは無水石膏の存在であった. 適合試験の結果から30%添加までは実用可能な値を得た. 以上のことから歯科用石膏系埋没材の再利用は可能であり, 実用可能な添加量は最大30%であることが判明した. |
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ISSN: | 0389-5386 |