8. CAD/CAMにより製作したオールセラミッククラウンの圧子圧入法による残留応力の評価
「I. 目的」CAD/CAMにて製作されたオールセラミッククラウン(以下, クラウン)は生体親和性が高く, 歯科臨床で幅広く汎用されてきているが, セラミックスには機械加工による残留応力の発生と, これが強度に大きな影響を与えることの指摘がある. そこで本研究では, CAD/CAMにて製作されたクラウン1)の残留応力について検証を行った. 「II. 方法」CAD/CAMにて製作されたクラウンを厚さ4mmに切断, 研磨し試料を製作した. 試料の残留応力測定法は, 日本材料学会標準2)に従い圧子圧入法を採用した. 微小硬度計(島津製作所)を用いて, 試料の外側から支台歯側へ向けて直線上に1.961...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2007, Vol.51 (2), p.398-398 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 目的」CAD/CAMにて製作されたオールセラミッククラウン(以下, クラウン)は生体親和性が高く, 歯科臨床で幅広く汎用されてきているが, セラミックスには機械加工による残留応力の発生と, これが強度に大きな影響を与えることの指摘がある. そこで本研究では, CAD/CAMにて製作されたクラウン1)の残留応力について検証を行った. 「II. 方法」CAD/CAMにて製作されたクラウンを厚さ4mmに切断, 研磨し試料を製作した. 試料の残留応力測定法は, 日本材料学会標準2)に従い圧子圧入法を採用した. 微小硬度計(島津製作所)を用いて, 試料の外側から支台歯側へ向けて直線上に1.961Nで15秒間ビッカース圧子を連続して圧入し, 発生したMedian亀裂長の測定値から残留している応力の評価を行った. 「III. 結果と考察」クラウン内部の亀裂頂の測定から, 咬頭頂およびその支台歯側, 軸壁およびその支台歯側の表面近傍では圧縮応力が残留していることが分かった. この圧縮残留応力は研削加工により発生した亀裂の進展を抑制し, クラウンの強度や耐久性を改善する効果があると考えられる. 「IV. 文献」1)野々垣龍吾, 宇野光乗, 倉知正和ほか. CAD/CAMにより作製したオールセラミッククラウンの表層下に形成される損傷の評価. 補綴誌50(115回特別号):124, 2006, 2)星出敏彦. 圧子圧入法によるセラミックスの残留応力測定法3-8, 京都:日本材料学会, 2001. |
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ISSN: | 0389-5386 |