チタン研磨面の表面分析

目的: 本研究は, 当大学で行われているチタン鋳造体の研磨法を用いた研磨面について, その表面性状の客観的な把握を目的とし, 分析を行ったものである. 方法: 3種純チタンを用いた鋳造体に, 鏡面研磨および適合性を重視した研磨 (以後, 適合研磨面とする) を施し, その表面性状を検索した. as cast試料を含めた各試料は, 表面粗さの測定, 電子プローブマイクロアナライザーを用いた定性分析, 面分析を行った. また断面試料を製作し, 面および線分析を行った. as cast試料についてはビッカース硬さの測定を行った. またコントロールとして, 白金加金合金およびコバルトクロム合金試料を製...

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会雑誌 2007/01/10, Vol.51(1), pp.11-21
Hauptverfasser: 三浦, 英司, 高山, 慈子, 川井, 善之, 細井, 紀雄, 水野, 行博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的: 本研究は, 当大学で行われているチタン鋳造体の研磨法を用いた研磨面について, その表面性状の客観的な把握を目的とし, 分析を行ったものである. 方法: 3種純チタンを用いた鋳造体に, 鏡面研磨および適合性を重視した研磨 (以後, 適合研磨面とする) を施し, その表面性状を検索した. as cast試料を含めた各試料は, 表面粗さの測定, 電子プローブマイクロアナライザーを用いた定性分析, 面分析を行った. また断面試料を製作し, 面および線分析を行った. as cast試料についてはビッカース硬さの測定を行った. またコントロールとして, 白金加金合金およびコバルトクロム合金試料を製作し, それぞれ分析を行った. 結果: チタン適合研磨面の中心線平均粗さは1.52μmで鏡面研磨の約4倍, 白金加金およびコバルトクロム合金の約2倍であった. チタン鏡面研磨面の定性分析では, インゴット成分元素の他にC, Si, Alが, 適合研磨面ではさらにPが検出された. チタンas cast試料のビッカース硬さは最表層部が最も硬く, 表面から100-150μmまでの範囲では急激に減少した. 結論: 本学のチタン研磨法による鏡面研磨面は貴金属合金と同等の研磨面が得られていると思われた. しかし, 適合研磨面は反応層や埋没材由来の元素が残存していることが確認された.
ISSN:0389-5386
1883-177X
DOI:10.2186/jjps.51.11