8. 根管充填剤が人歯歯根部象牙質とレジンセメントとの接着強さに及ぼす影響
「I. 目的」無髄歯に支台築造体を合着する際には, 歯根部象牙質を被着面とすることが多い. しかし, 無髄歯は根管充填が施されているため, 象牙質表面に根管充填剤が残存していた場合や, それらがユージノールを含む場合には, レジンセメントの接着強さを低下させると言われている. しかし, これらに関する詳細な報告は少ない. そこで, 今回我々は, 各種根管充填剤が深層部の歯根部象牙質とレジンセメントのせん断接着強さに及ぼす影響について検討した. 「II. 方法」象牙質片は抜去した人第3大臼歯から採取し, 披着面に塗布する根管充填剤にはユージノール系のキャナルス(以下, C), 非ユージノール系の...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2006, Vol.50 (3), p.500-500 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 目的」無髄歯に支台築造体を合着する際には, 歯根部象牙質を被着面とすることが多い. しかし, 無髄歯は根管充填が施されているため, 象牙質表面に根管充填剤が残存していた場合や, それらがユージノールを含む場合には, レジンセメントの接着強さを低下させると言われている. しかし, これらに関する詳細な報告は少ない. そこで, 今回我々は, 各種根管充填剤が深層部の歯根部象牙質とレジンセメントのせん断接着強さに及ぼす影響について検討した. 「II. 方法」象牙質片は抜去した人第3大臼歯から採取し, 披着面に塗布する根管充填剤にはユージノール系のキャナルス(以下, C), 非ユージノール系のキャナルスN(以下, CN), ガッタパーチャポイント(以下, G)を用い, 塗布後湿潤状態で1週間保管したのち充填剤の除去を行った. 象牙質片との接着に使用する金属は, 12%金銀パラジウム合金を, レジンセメントにはパナビアF2.0を用いた. 象牙質片は, 直径2mmの円柱状の形態に調整し, せん断試験はオートグラフを用いて, クロスヘッドスピード1mm/minで測定を行った. 「III. 結果と考察」せん断接着強さはCが11.69±1.92MPaで, CNが6.48±1.05MPaであり, Gが9.22±2.42MPaであった. そして, CNとC, Gの間に有意差がみられたが, CとGとの間にはみられなかった. これらの事から, 根管充填剤の種類が接着強さに影響を及ぼすことが示唆された. 接着強さの低下の原因については, 今後検討していく必要がある. |
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ISSN: | 0389-5386 |