2. 咬合支持の実験的な喪失が嚥下時の舌運動に及ぼす影響
「I. 目的」臼歯部による咬合位の有無が, 嚥下時舌運動に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした. 「II. 方法」有歯顎者8名にプリンを嚥下するよう指示した. 超音波診断装置を用い, 下顎左右側第1大臼歯部の舌背正中部の上下運動を記録した. 舌運動波形において, 最終の下点をとる時点, 舌背が口蓋へ押し付けられて運動を停止する時点, ならびに舌背が口蓋から離れる時点を求めた. そしておのおのの時点の間を計測パラメータとし, 送り込み運動の時間ならびに口蓋への接触時間とした. 下顎スタビライゼーション型オクルーザルスプリントは可及的に薄く仕上げた. 計測条件を(1)スプリントなし(SPなし)...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2006, Vol.50 (2), p.336-336 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 目的」臼歯部による咬合位の有無が, 嚥下時舌運動に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした. 「II. 方法」有歯顎者8名にプリンを嚥下するよう指示した. 超音波診断装置を用い, 下顎左右側第1大臼歯部の舌背正中部の上下運動を記録した. 舌運動波形において, 最終の下点をとる時点, 舌背が口蓋へ押し付けられて運動を停止する時点, ならびに舌背が口蓋から離れる時点を求めた. そしておのおのの時点の間を計測パラメータとし, 送り込み運動の時間ならびに口蓋への接触時間とした. 下顎スタビライゼーション型オクルーザルスプリントは可及的に薄く仕上げた. 計測条件を(1)スプリントなし(SPなし), (2)スプリント装着(全顎), (3)スプリントの前歯部を切断して除去し, 臼歯のみの咬合接触とした場合(臼歯のみ), (4)(3)で除去された部分を使用し, 前歯のみの咬合接触とした場合(前歯のみ)とした. それぞれ3回試行した. 各条件での比較における統計学的解析はFriedman検定を用い, 有意な差が認められた場合にはDunn検定を用いて多重比較をおこなった. 有意水準を5%に設定した. 「III. 結果と考察」送り込み運動の時間について, 臼歯のみはSPなしおよび全顎と比較して延長し, 有意な差が認められた. 口蓋への接触時間について, 前歯のみはSPなし, 全顎および臼歯のみと比較して短縮し, 有意な差が認められた. 以上の結果から, 臼歯部による安定した咬合位の有無は, 嚥下時舌運動における口蓋への接触時間に影響を及ぼすことがわかった. |
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ISSN: | 0389-5386 |