4. 患者適正顎位を求めて3-インプラント欠損補綴

「I目的」多数歯にわたる欠損により顎位が著しく不安定となった症例において強固なオクルーザルストップとオクルーザルガイダンスの確立が顎位・咬合の安定の重要要素である. 今回も顎位の模索に強固な支台装置としてインプラント治療を選択した. 患者固有の顎位の模索を行い, 機能回復と審美改善を行った症例を報告する. 「II方法」初診時患者は63歳女性咀嚼障害・審美障害を主訴に来院. 当時は強い疼痛により片頭痛・吐き気・目まいが頻発し, 体調不良も訴えていた. 既往歴は歯科恐怖症により今まで継続的に歯科を受診したことはなく現在に至る. 現症は残存歯すべてに大きな動揺と自然排膿・出血を認める. 顎関節部にも...

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会雑誌 2006, Vol.50 (2), p.326-326
Hauptverfasser: 松井新吾, 深谷雅浩, 古宇田剛, 一瀬昭太, 斉藤真吾, 小柳光蔵, 鶴見輝彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I目的」多数歯にわたる欠損により顎位が著しく不安定となった症例において強固なオクルーザルストップとオクルーザルガイダンスの確立が顎位・咬合の安定の重要要素である. 今回も顎位の模索に強固な支台装置としてインプラント治療を選択した. 患者固有の顎位の模索を行い, 機能回復と審美改善を行った症例を報告する. 「II方法」初診時患者は63歳女性咀嚼障害・審美障害を主訴に来院. 当時は強い疼痛により片頭痛・吐き気・目まいが頻発し, 体調不良も訴えていた. 既往歴は歯科恐怖症により今まで継続的に歯科を受診したことはなく現在に至る. 現症は残存歯すべてに大きな動揺と自然排膿・出血を認める. 顎関節部にも咀嚼時疼痛を認める. まず, 保存可能な天然歯の保存処置を行い, 左下4567相当部にインプラントを埋入, プロビジョナルレストレーションを用いて顎位の模索をはかり, デンタルプレスケールにて顎位の評価をした. 顎位の安定が得られたところで最終補綴装置へと移行した. 「III経過・考察」最終補綴装置装着後, 患者の満足度は非常に高く, 経過も大きな変化なく推移している. 経過の中で, 年に2~3回程度の大きなブラキシズムを確認している. 短期間のナイトガードの使用で対応している. 歯周管理, デンタルプレスケールによる咬合の確認, ブラキシズムの対応を継続的に行って行きたいと考えている. また, 最終補綴装置装着後も続くブラキシズムのコントロールに関しても対策を考えていく.
ISSN:0389-5386