8. 上部構造への荷重がインプラント周囲海綿骨に及ぼす影響-マイクロCTによるイヌ下顎骨の三次元的観察
I. 目的:Osseointegrated implantによる補綴治療は普及してきたが, インプラント周囲骨組織の構造は未だ不明な点が多い. そこで我々は, 上部構造装着後の咬合圧がインプラント周囲海綿骨におよぼす影響の調査を行っている. 調査にあたりインプラント周囲海綿骨組織の3次元的構造解析を行うため極小焦点X線CT装置(以下マイクロCT)を用いた. II. 方法:免疫成犬3頭を用い下顎両側前臼歯を抜去後インプラント埋入手術を行った. その後右側のみ上部構造を装着し荷重側とし, 左側は上部構造を装着せず非荷重側とした. 3か月後下顎骨を剖出して試料とし, マイクロCTを用いて撮影を行った...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2005, Vol.49 (3), p.556-556 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | I. 目的:Osseointegrated implantによる補綴治療は普及してきたが, インプラント周囲骨組織の構造は未だ不明な点が多い. そこで我々は, 上部構造装着後の咬合圧がインプラント周囲海綿骨におよぼす影響の調査を行っている. 調査にあたりインプラント周囲海綿骨組織の3次元的構造解析を行うため極小焦点X線CT装置(以下マイクロCT)を用いた. II. 方法:免疫成犬3頭を用い下顎両側前臼歯を抜去後インプラント埋入手術を行った. その後右側のみ上部構造を装着し荷重側とし, 左側は上部構造を装着せず非荷重側とした. 3か月後下顎骨を剖出して試料とし, マイクロCTを用いて撮影を行った. このデータを3次元立体構築ソフト(VGStudio)を用いて画像を構築し, 下顎骨内部構造の観察を行った. さらにそのデータからインプラント間の海綿骨部を抽出して3次元骨梁形態計測ソフト(TRI/3D-BON)にて荷重側と非荷重側の海綿骨梁について骨体積率, 骨梁幅および骨梁数の計測を行った. III. 結果と考察:1例においては, 他の2例と比べ骨体積率が非常に大きく, それぞれのパラメーターについて荷重側, 非荷重側間に大きな変化は認められなかった. 他の2例においては, 骨体積率と骨梁幅ともに非荷重側に比べ荷重側の方が大きい値を示し, 骨梁数については変化が少ない傾向が認められた. このことから, 被験例間の個体差も認められたが, インプラントに荷重が加わることにより骨が成熟し, 周囲海綿骨組織において機能的な形態変化が生じたものと推察された. また, 荷重を加えたことによる骨組織の形態変化は, インプラント近接部で大きく現れる傾向が認められた. |
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ISSN: | 0389-5386 |