9. かみ合わせ外来における包括診療システムについて
「I. 目的」 平成13年4月にかみ合わせ外来が開設され, 約3年11ヶ月が経過した. 平成14年4月からは心療歯科の専門医による医学面接を実施し, また昨年からは精神科医の参加により, かみ合わせを主訴とする患者に対してこれまで歯科単独では困難であった包括的な診療システムを実施することが可能となったので報告する. 「II. 方法」 外来の診療システムは, 診療段階に応じて第1から第4ステージに分かれている. 第1ステージは一般的な歯科基本検査に心理テストと医学面接を含めた基本検査の段階で, 咬合治療を積極的に行うことが適切であるか否かのスクリーニングが目的である. この段階で多面的に評価する...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2005, Vol.49 (2), p.371-371 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 目的」 平成13年4月にかみ合わせ外来が開設され, 約3年11ヶ月が経過した. 平成14年4月からは心療歯科の専門医による医学面接を実施し, また昨年からは精神科医の参加により, かみ合わせを主訴とする患者に対してこれまで歯科単独では困難であった包括的な診療システムを実施することが可能となったので報告する. 「II. 方法」 外来の診療システムは, 診療段階に応じて第1から第4ステージに分かれている. 第1ステージは一般的な歯科基本検査に心理テストと医学面接を含めた基本検査の段階で, 咬合治療を積極的に行うことが適切であるか否かのスクリーニングが目的である. この段階で多面的に評価するため多軸診断が行われ, 医科との連携診療の決定も行われる. 第2ステージは多軸診断の中の3軸診断(一般身体疾患, 歯科疾患)に対する咬合精密検査の段階で, より詳細な咬合に関する情報収集とそれに基づく各歯科専門科による咬合診断と治療計画の立案が目的である. 第3ステージは咬合確立の段階で, 主訴に対する診断と主訴以外の問題点に対する診断を分離し, 患者に歯科的情報を提供する. 第4ステージは咬合治療後の術後管理の段階で, 5年間のメインテナンスを設定し, 咬合の長期維持安定を目標としている. 「III. 結果及び考察」 当外来診療システムの意義は, 多軸診断の応用による患者の主訴に対する診断の決定が行われることにある. 他科との連携診療を行う患者の場合でも, 歯科的ケアはその期間十分に行いつつ, 歯科治療の開始時期を検討できる点も意義が大きいと考えられる. 以上のような結果から, かみ合わせに主訴をもち対応が困難な患者に対して本外来の包括的診療システムは有効であると考えられる. |
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ISSN: | 0389-5386 |