6. Combination Caseの顎顔面形態の特徴―上顎総義歯と下顎Kennedy I級症例

「I. 目的」Kelly(1972)は, 上顎総義歯と下顎Kennedy I級の組合せ症例(Combination case:CC)では, 上顎前歯部歯槽堤の骨吸収が著しいなど定型的な特徴を有し, これらが補綴治療の困難性を招くと述べ, これを“Combination syndrome”と呼んだ. 近年, 症型分類の考え方が導入され, 治療法選択の指針とするべく米国補綴専門医学会(ACP)でも総義歯の分類法を提唱した1). そこで, CC群の問題点を把握することは臨床的意義あるものと考え, 今回は顎顔面形態の特徴を総義歯(FD)患者との比較において検討した. 「II. 方法」平成元年~平成15...

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会雑誌 2004, Vol.48 (5), p.886-886
Hauptverfasser: 内山偉誠, 横瀬隆夫, 虫本栄子, 小野田利枝, 大久保卓也, 土田俊宏, 外川正洋, 竹内大和, 河上雄之介, 田中久敏
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 目的」Kelly(1972)は, 上顎総義歯と下顎Kennedy I級の組合せ症例(Combination case:CC)では, 上顎前歯部歯槽堤の骨吸収が著しいなど定型的な特徴を有し, これらが補綴治療の困難性を招くと述べ, これを“Combination syndrome”と呼んだ. 近年, 症型分類の考え方が導入され, 治療法選択の指針とするべく米国補綴専門医学会(ACP)でも総義歯の分類法を提唱した1). そこで, CC群の問題点を把握することは臨床的意義あるものと考え, 今回は顎顔面形態の特徴を総義歯(FD)患者との比較において検討した. 「II. 方法」平成元年~平成15年の間に当科へ来院・治療したCC及びFD患者を調査対象とし, ベラビューおよび側方頭部セファロX線写真を分析した. 「III. 結果と考察」CC群総数は456名で総患者数8824名の5%を占め, 経年変化はなかった. セファロ分析では, CC群は咬合平面が緩く, FD群に比べてFacial angleは小さく, Y-axis, Ramus inclinations, およびFMAは有意に大きく, 下顎のclockwise rotationを認めた. 上顎前歯部の著明な骨吸収は認めず, CV値が大きいことからこの部位の骨吸収には個人差の大きいことが窺われた. 「IV. 文献」1)田中久敏, 虫本栄子, 高間木祐一他:米国における無歯顎患者治療の現状を知る―症型分類とその意義―:クインテッセンス21:60-77, 2002.
ISSN:0389-5386