5. 実験的咬合干渉付与による脳波の1/fゆらぎ解析
「I. 目的」演者らは, 咬合干渉の付与によって, ラットではc-fos mRNA陽性細胞数が増加した, ヒトではdipole推定から脳内賦活部位が扁桃体付近に局在したなど, 脳内ストレス応答との関連を示唆1)してきた. 本研究では, 咬合干渉付与の条件下での咀嚼前後の脳波の1/fゆらぎ解析を行った. 「II. 方法」研究の主旨を説明し, 同意の得られた正常有歯顎者8名に, 咬合干渉(100μm)を下顎第2大臼歯に付与し, かまぼこを片側咀嚼させ, 干渉付与前, 同1, 3日後, および干渉除去直後に, 脳波と咀嚼筋筋電図を同時記録し, 主観的感覚評価にはVAS法を用いた. 脳波の記録と分析は...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2004, Vol.48 (5), p.886-886 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 目的」演者らは, 咬合干渉の付与によって, ラットではc-fos mRNA陽性細胞数が増加した, ヒトではdipole推定から脳内賦活部位が扁桃体付近に局在したなど, 脳内ストレス応答との関連を示唆1)してきた. 本研究では, 咬合干渉付与の条件下での咀嚼前後の脳波の1/fゆらぎ解析を行った. 「II. 方法」研究の主旨を説明し, 同意の得られた正常有歯顎者8名に, 咬合干渉(100μm)を下顎第2大臼歯に付与し, かまぼこを片側咀嚼させ, 干渉付与前, 同1, 3日後, および干渉除去直後に, 脳波と咀嚼筋筋電図を同時記録し, 主観的感覚評価にはVAS法を用いた. 脳波の記録と分析は教室の方法に従い, 総パワーに占めるα, β波の含有率(%α, %β)と1/fゆらぎの傾きを求めた. 「III. 結果と考察」干渉付与によって, 咀嚼時の4筋平均電位は3日後まで有意に減少し, 脳波は, %αの減少と%βの増加という相反的な挙動を示し, VAS値の有意な増大に一致した. 1/fゆらぎの傾きは付与前には-1付近であったのが干渉付与に伴い有意な減少を示し, 干渉除去により回復した. 以上より, 1/fゆらぎの傾きは, 咬合干渉付与による口腔不快感を反映する可能性が示唆された. 「IV. 文献」1)虫本栄子, 豊田康夫, 田中久敏:実験的咬合干渉による噛み合わせ障害感の脳電位分布と発生源のdipole推定. 臨床神経生理学32:144, 2004. |
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ISSN: | 0389-5386 |