食後感より症状の緩和を確認した義歯不適応症とナラティブの考察
症例の概要: 患者は63歳女性で上下顎総義歯の不調による咀嚼障害を主訴に2002年3月紹介受診された. The American College of Prosthodontistsの無歯顎分類でClassIV, また装着義歯はSatoらの方法で30/100と評価された. 義歯装着時の水平的下顎位は不安定でタッピングポイントは収束せず, また納得できる義歯を装着したことがないのは自分の口腔の状態に起因していると思いこんでいる様子が, 問診よりうかがえた. 咬合の不調和に伴う咀嚼障害および義歯不適応症と診断し, 補綴学的には治療用義歯を用いた水平的顎位の修正および心身医学的には受容型の対話および...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2004/08/10, Vol.48(4), pp.549-554 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例の概要: 患者は63歳女性で上下顎総義歯の不調による咀嚼障害を主訴に2002年3月紹介受診された. The American College of Prosthodontistsの無歯顎分類でClassIV, また装着義歯はSatoらの方法で30/100と評価された. 義歯装着時の水平的下顎位は不安定でタッピングポイントは収束せず, また納得できる義歯を装着したことがないのは自分の口腔の状態に起因していると思いこんでいる様子が, 問診よりうかがえた. 咬合の不調和に伴う咀嚼障害および義歯不適応症と診断し, 補綴学的には治療用義歯を用いた水平的顎位の修正および心身医学的には受容型の対話および傾聴を中心としたアプローチで対応した. 初診より19回の調整を重ね, 2003年4月に最終義歯を装着し, 約2カ月経過時より症状の訴えが減少し, 特に食事に対する捉え方が前向きになり, 患者の食後感に有意な改善が認められた. 考察: 長期にわたる義歯の不調により水平的下顎位の安定が損なわれたことと, 患者の実直かつ几帳面な性格から, 原因が自己の口腔内にあるものとの自己嫌悪感が重なり, 義歯不適応症を惹起したと思われた. これに対し, 適切な補綴処置と受容型の対応および保証により緩和したと考えられた. 結論: 適切な補綴学的および心身医学的アプローチの重要性に加え, 患者の食後感を用いた評価の有用性が示唆された. |
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ISSN: | 0389-5386 1883-177X |
DOI: | 10.2186/jjps.48.549 |